以下の情報は、出願公開日時点(2009年11月26日)のものです。
0001
本出願は、2006年6月23日に出願された、同時係属中の米国特許仮出願第60/816,038号(件名「Method And Apparatus For Implementing Mobile Ad−Hoc Networking (MANET) Protocols In Conjunction With Point To Multi−Point (PMP) Protocols」)の、35 U.S.C.119(e)に基づく優先権を主張するものである。
0002
本発明は、無線通信システムに関し、特に、ポイントツーマルチポイント(PMP)ネットワークならびにメッシュネットワークもしくはモバイルアドホックネットワーク(MANET)に関する。
0003
様々な広帯域無線システムにおいて、ポイントツーマルチポイント(PMP)プロトコル通信設備が使用されている。それらのシステムは、典型的には、標準ベースまたは産業通商団体認定(たとえば、WiMAX Forum認定、IEEE 802.16−2004、IEEE 802.16d、IEEE 802.16e−2005、IEEE 802.16e、HIPERMANなど)である。
0004
メッシュプロトコルまたはモバイルアドホックネットワーク(MANET)プロトコルの下で動作する通信設備は、軍事用途で使用されることが多い。IEEE 802.16d標準に属するメッシュネットワークの一例が、メッシュモードに加えて、PMPモードも規定している。しかしながら、この標準は、ネットワークにおいてメッシュモード動作またはPMPモード動作のいずれか一方だけを選択することをユーザに対して許可している。
0005
無線通信ネットワークの運用のための新規無線周波数(RF:radio frequency)帯の割り当てを獲得することは、困難である場合が多い。このため、かつ、他の理由により、無線ネットワークの任意の1つもしくは複数のチャネルに複数のネットワークトポロジもしくはプロトコル(たとえば、PMP、ならびにメッシュもしくはMANET)が、各プロトコルの下で様々な通信の間の干渉を引き起こすことなく、共存することを可能にすることが望ましいであろう。たとえば、既存の無線PMP基地局(BS:Base Station)のカバレージの外側にある所与のノードが新規加入者局としてネットワークに加入することを可能にするために、中継局(RS:Relay Station)が、その既存のカバレージを拡大することを必要とする場合がある。そのような場合、BSおよびRSは、メッシュプロトコルを用いて相互にリンクして、ネットワークチャネルの使用を調整し、それによって、RSが新規加入者局に対してPMP基地局として動作することを可能にすることができる。
0006
別の例として、それぞれがPMPシステムを用いている2つの軍用車列があった場合、それらは、移動しながら、それぞれの車列の中の車両間の無線接続性を維持することが必要であろう。2つの車列の基地局が互いのそばを通過する際には、それらの車列の個々のPMPネットワークを維持しながら、互いの動きを調整するために、それら2つの基地局がMANETを実装することが望ましいであろう。
0007
さらに別の例として軍事演習があり、軍事演習では、現場において何千ものRF収集端末から成績データを収集することが必要になる。各兵士は、演習中に収集されたデータを中継する無線端末を持つことができる。そのような端末は、PMPネットワーク内で最も効率よく動作するが、それらの端末のいくつかは、PMPカバレージの外にある場合があり、その場合には、接続性を維持するために、(BS以外の)他の無線端末を介してデータを転送することが必要である。この場合も、同じチャネルにおいてPMPネットワークと同時に動作するMANETネットワークもしくはメッシュネットワークが、そのような要求を満たすであろう。上述の各例は、実例に過ぎず、本発明が有利に用いられることが可能な様々な状況を限定する� ��のではない。
0008
下記特許文献1(米国特許第7,031,274号(2006年4月18日))には、IEEE 802.11プロトコルに従うシステムが、それとは異なる非互換のHIPERLAN/2標準を使用する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、共通伝送チャネルにおいて相互運用されることを可能にする方法が開示されている。さらに、下記特許文献2(米国特許第7,133,381号(2006年11月7日))には、Enhanced IEEE 802.11e標準の下で動作している局が、この802.11e標準を実施していない局からの妨害送信を防ぐ方法が記載されている。
0009
知られている限りでは、PMPプロトコルとメッシュ/MANETプロトコルとが(802.16に従うネットワークもしくはWiMAXベースであるネットワークを含む)無線ネットワークにおいて共存することを可能にすると同時に、任意のいずれかのプロトコルを使用しているネットワークのノード間で実行されている通信に対する干渉を防止するソリューションは提案されていない。802.11は、ある種のPMPプロトコルを有するが、これは実施も採用もされないことに注意されたい。しかしながら、これは、(WiMAXのような)他のPMPネットワークと異なり、(PCFと呼ばれる)この802.11 PMPプロトコルを許可するために使用される手法は、他のPMPネットワークには当てはまらないであろう。
0010
0011
本発明の一態様によれば、無線ポイントツーマルチポイント(PMP)ネットワークのメンバノードが、PMPプロトコルを使用して交換されているネットワーク通信に干渉することなく、共用のチャネルセット上の他のノードとのモバイルアドホック(MANET)通信もしくはメッシュ通信に参加することを可能にする方法が、PMPネットワークにおいて基地局ノードからいくつかの加入者局ノードへダウンリンク信号を送信するステップと、基地局ノードから加入者局ノードのうちの対応する1つへメッセージを送信する第1の時間帯をスケジュールするためのダウンリンクマップをダウンリンク信号内に定義し、スケジュールされた第2の時間帯に加入者局ノードが基地局ノードへメッセージを送信することを可能にするために� ��第2の時間帯をスケジュールするためのアップリンクマップをダウンリンク信号内に定義するステップと、を含む。さらに、本方法は、ダウンリンクマップおよびアップリンクマップの一方または両方にMANET/メッシュゾーンを割り当てるステップを含み、各ゾーンは、1つまたは複数のタイムスロットおよびチャネルを予約するように動作し、予約されたタイムスロットおよびチャネルにおいて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを使用している、基地局ノードおよび任意の加入者局ノードを含むノードが、PMPプロトコルの下で基地局ノードと加入者局ノードとの間で行われているネットワーク通信に干渉することなく、他の、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを使用しているノードと通� �することが可能である。
0012
本発明の別の態様によれば、マルチプロトコル無線通信ノードが、通信サービスを必要とする外部デバイスに関して、制御情報もしくはデータをノードとやりとりするためのインターフェースコンポーネントと、インターフェースコンポーネントと結合されて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従うリンク、またはポイントツーマルチポイント(PMP)プロトコルに従うリンクを介して、ノードによって搬送されるべきデータをルーティングするネットワーキングコンポーネントと、ネットワーキングコンポーネントと結合されて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを実装する、第1のメディアアクセスコントローラ(MAC)コンポーネントと、ネットワーキングコンポーネントと結合されて、P� ��Pプロトコルを実装する、第2のMACコンポーネントと、を有し、第1および第2のMACコンポーネントは、互いにインターフェースしてスケジューリング情報を渡すように構成される。
0013
本ノードはさらに、無線周波数(RF)コンポーネントと、第1のMACコンポーネントおよびRFコンポーネントと結合された、第1の物理層コンポーネントであって、(i)MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従う第1のMACコンポーネントからの第1のデータ入力を処理し、処理された第1のデータを、送信のためにRFコンポーネントへ出力することと、(ii)MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従うRFコンポーネントからの第2のデータ入力を処理し、処理された第2のデータを、第1のMACコンポーネントへ出力することと、を行う第1の物理層コンポーネントと、第2のMACコンポーネントおよびRFコンポーネントと結合された、第2の物理層コンポーネントであって、(i� ��PMPプロトコルに従う第2のMACコンポーネントからの第3のデータ入力を処理し、処理された第3のデータを、送信のためにRFコンポーネントへ出力することと、(ii)PMPプロトコルに従うRFコンポーネントからの第4のデータ入力を処理し、処理された第4のデータを、第2のMACコンポーネントへ出力することと、を行う第2の物理層コンポーネントと、を含む。
0014
本発明のよりよい理解のために、以下の説明を、添付図面および添付の特許請求項と併せて参照する。
0015
0016
本明細書で用いられる「メッシュポイント」(MP)は、ネットワークのメンバであって、そのネットワークに対して確立されているMANETシグナリングプロトコルもしくはメッシュシグナリングプロトコルを実施する、任意のノードである。本発明によれば、MPノードは、PMPシグナリングプロトコルを実施する、ネットワークの他のメンバノードと共存することが可能であり、それらと通信することが可能である。PMPプロトコルは、本明細書では、3つのプロトコル機能性群(すなわち、基地局(BS:Base Station)、固定加入者局(SS:Fixed Subscriber Station)、および移動加入者局(MS:Mobile Subscriber Station)のかたちで定義される。具体的には、BSプロトコルセットとMPプロトコルセットとの間に協調が確立される。SSプロトコルセットおよびMSプロトコルセットは、ネットワークのPMP態様に参加しているだけであれば、MPプロトコルセットと対話する必要がない。しかしながら、時には、特定のアーキテクチャ要素を実装するために、SSプロトコルもしくはMSプロトコルならびにMPプロトコルを同じ局もしくはノードに配置することが可能であれば、便利であり、有利である。
0017
「中継局」(RS:Relay Station)は、本明細書では、BSおよびMPの機能性の特定のサブセットを含む要素として定義される。MANETルーティングおよびトポロジ制御に有用な、特定のアーキテクチャ要素も可能である。これらは、たとえば、ドメインノード(DN)、ドメインリードノード(DL)、およびブリッジノード(BN)の概念を含み、これらは、たとえば、本出願の譲受人に譲渡された、同時係属中の、2006年10月12日に出願された上記特許文献3(米国特許出願第11/546783号(件名「Adaptive Message Routing for Mobile Ad Hoc Networks」))において定義されているとおりである。
0018
図1は、ポイントツーマルチポイント(PMP)トポロジを実装する無線通信システムまたはネットワークの一実施例を示すブロック図である。このネットワークは、多くの特定プロトコル(たとえば、 IEEE 802.16−2004、IEEE 802.16e−2005、もしくはこれらのプロトコルの関連バージョン(WiMAXやHIPERMANなど))のうちの1つを実施することが可能である。図1のネットワークは、たとえば、ほぼ400MHz、700MHz、2400MHz、3100MHz、4400MHz、4600MHz、または5800MHzの無線周波数帯で動作することが可能である。言及されているPMPプロトコルの動作の場合は、60GHz以上もの高い周波数も好適であると考えられている。瞬時のチャネル帯域幅は、1MHz未満から約20MHzにまで及ぶ場合がある。500MHz以上もの高い帯域幅も実現可能である。このネットワークの各ノードは、多様なアンテナ(たとえば、無指向性アンテナ、固定指向性アンテナ、セクタア� ��テナ、ビーム形成アンテナ、または適応アンテナなど)を採用することが可能である。複数入力複数出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)ならびに複数ユーザ検出(MUD:Multi−User Detection)ネットワーキング技術を、既知の様式で適用することも可能である。さらに、既知の時分割複信(TDD:Time Division Duplex)および周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)技術も適用可能である。
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0019
このネットワークでは、現在知られている様々な変調および物理層(PHY:Physical Layer)の実装を採用することも可能である。一般的な変調方式として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)および直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)がある。シングルキャリア(SC)PHYを用いることも可能であり、既知の拡散スペクトラム技術を用いることも可能である。キャリアの変調に用いられる典型的なコンステレーションは、4位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)、16値直交振幅変調(16QAM:16 Quadrature Amplitude Modulation)、および64値直交振幅変調(64QAM:64 Quadrature Amplitude Modulation)である。他の既知の変調技術を実施することも可能である。たとえば、ビタビ、リードソロモン、ターボ、LDPCなどのような、当該技術分野においてよく知られている誤り訂正符号化(ECC:Error Correction Coding)を利用することも可能であり、場合によっては、相互結合のかたちで利用することも可能である。インタリーブを、既知の様式で適用することも可能である。
0020
PMPネットワークは、ネットワーク内のノードの編成という点で、他の無線ネットワークと区別されることが可能である。たとえば、図1では、基地局(BS)ノード110が、RFトランシーバならびに1つもしくは複数のアンテナを使用することによって、無線カバレージエリア100を維持している。本明細書に記載のPMPおよび他のトポロジの実装には、前述の周波数、PHY、変調、ECC、およびコンステレーション(ならびにその他)のどれでも用いることが可能である。図1のネットワークにある各種ノードがカバレージエリア100内でいつ送信またはリスンしていなければならないかを決定するために、メディアアクセスコントローラ(MAC)を、既知の様式で使用することが可能である。
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0021
風速計の読み方
カバレージエリア100内に、いくつかの固定加入者局(SS)ノード120と、いくつかの移動加入者局(MS)ノード130とを置くことが可能である。それらのノードは、BSノード110からサービスを受けることに関心があり、ノード110に登録して、ノード110とのリンクを形成する。BSノード110は、どのノードがどの時間間隔で送受信を行うかを、MACメッセージを通して制御するように構成されることが可能である。図1では、PMPリンクは、リンク140のような細い実線で表されている。SSノード120およびMSノード130は、BSノード110とだけリンクを形成するように構成され、それらが互いのRF通信レンジ(すなわち、1ホップ)内にある場合でも互いの間でリンクを形成すること� ��できない。BSノード110は、カバレージエリア100内にあって相互に通信することを望むそれらのノードから発せられたり、それらのノードに宛てられたりする情報(パケットもしくはメッセージ)を転送する。さらに、BSノード110は、カバレージエリア100内にあるノードと他のネットワークのノードとの(たとえば、インターネット経由の)接続性を提供する。図1の太線150は、BSノード110と他のネットワーク160との通信リンクを示している。リンク150は、有線または無線のインターフェースを介して提供されることが可能である。
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0022
図2は、モバイルアドホックネットワーク(MANET)またはメッシュネットワークのトポロジの中で動作するように構成されたノード(MP)を有する、典型的な無線通信ネットワークを示す。MANETネットワークは、そのノードのどれもが、相互に通信しながら移動していることが可能であるという特性を有する。MANETネットワークは、(図1のBSノード110のような)中央管轄局が、ネットワークの任意の2つ以上のノードMPの間のリンクのパラメータを確立および規定するための唯一の権限を有することが必要でない、という点でアドホックである。それらのノードのうちの任意の2つが、ネットワーク内の他のノードまたは通信エンティティと無関係に、相互にリンクを確立することが可能である。それらの� ��ンクは、一過性であってよく、事前にスケジュールされる必要はない。さらに、図2のMANETネットワークのノードは、典型的には、他のノードとの複数のリンクを同時に維持することが可能である。
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0023
メッシュネットワークという用語は、いくつかの意味を有する場合がある。典型的には、メッシュネットワークは、そのネットワークノードMPの少なくともいくつかが静的と見なされていて、ある程度の事前プランニングまたはスケジューリングが必要な場合がある点で、MANETの特殊なケースである。さらに、いくつかのノードが、メッシュネットワークへの登録のために中央管轄局との通信を必要とする場合がある。本開示では、MANETおよびメッシュという用語は、区別なく使用され、両方とも、特に断らない限り、より一般的なMANETを意味する。
0024
米国国防総省は、数年にわたってMANETネットワークの実験を実施した。MANETネットワークの例として、Wideband Networking Waveform(WNW)およびSoldier Radio Waveform(SRW)がある。商品化の観点では、IEEE 802.11(または簡潔に「802.11」)波形がMANETネットワークの実験に用いられることが多く、これは、802.11標準が、1つの動作モードにおいて、中央管轄局を必要としない可動度をサポートしているためである。IEEE 802.11の一タスクグループ(802.11s)が、移動性を意図しない「メッシュ」802.11ソリューションについて現在作業中であるが、802.11pグループによって進行中の作業から、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transportation Systems)の応用に用いられるIEEE 802.11ベースのMANETが結果として出てくる可能性がある。IEEE 802.16−2004の一モードにはメッシュ機能が含まれ、メッシュ機能においては、ノードが一般的に静的であると想定され、中央管轄局との協調が必要とされる。
0025
一般に、MANETネットワークならびにメッシュネットワークは、PMPシステムで使用されるものと同じ、シンボルコンステレーションのタイプ、PHY層、変調、ECC、インタリーブ、デュプレックス技術、MIMOおよびMUD技術、アンテナタイプ、周波数帯、ならびに帯域幅を取り入れる。MANET/メッシュネットワークがPMPネットワークと異なる点は、主として、それぞれのメディアアクセス制御(MAC)層およびネットワーク層の構成である。
0026
図2では、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを実施しているノードを、メッシュポイント(MP)ノードと呼んでいる。図2は、それぞれが互いの通信レンジ内にある3つのノードMP210、220、230を含む無線カバレージエリア200を示している。MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを使用してノード間で形成されたリンクが、260のような破線で示されている。
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0027
当業者であればなじみのある用語として、「1ホップ」および「2ホップ」隣接ノードがある。図2では、ノードMP240とノードMP230との間がいずれの方向の通信でも1区間分のRF伝送で十分であることから、ノードMP240は、ノードMP230の1ホップ隣接ノードである。パケットもしくはメッセージがノードMP240とノードMP210との間の(ノードMP230経由の)経路を通過するために2区間分のRF伝送を経なければならないことから、ノードMP240は、ノードMP210の2ホップ隣接ノードである。
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0028
この例の場合、3つのノードMP210、220、および230は、それぞれが他の2つとの直接リンクが可能であることから、完全接続されている。
0029
無線カバレージエリア(200)は、この接続性を表している。別の無線カバレージエリア250は、ノードMP230および240を含み、これらも相互の直接リンクが可能であるが、ノードMP240は、ノードMP210もしくは220のいずれとも直接リンクが不可能である。したがって、リンクレベルでは、4つのノードMP210、220、230、および240は、相互に完全接続されてはいない。しかしながら、各MPノードは、ネットワークトラフィックを1つのリンクから別のリンクへ転送する能力を有する。たとえば、図2では、ノードMP230は、ノードMP240とのリンクから、ノードMP210もしくは220のいずれかとのリンクへトラフィックを転送することが可能であり、この逆の方向で転送する� ��とも可能である。これは、当該技術分野において知られているように、典型的にはネットワーク層で行われるが、MAC層で行われる場合もある。したがって、ノードMP240は、中間ノード経由ではあるが、ノードMP210および220と、どの方向でも通信することが可能である。
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0030
図15は、本発明によるハイブリッドPMP/MANETネットワークトポロジを実装している無線通信システムもしくはネットワークの一実施形態のブロック図である。4つの無線カバレージエリア1500、1505、1510、および1515が示されており、所与のカバレージエリア内にある各ノードは、その所与のカバレージエリア内にある他のすべてのノードのRF通信レンジ(すなわち、1ホップ)内にある。いくつかのノードは、純粋にPMP要素として(すなわち、SSノードまたはMSノードのいずれかとして)識別される。他のノードは、純粋にMANET/メッシュ(MP)ノードとして識別される。
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0031
図15には、それぞれが本発明に従って複数のプロトコルセットを実施するように構築および配置された、新しいノード群も示されている。たとえば、ノード1520にはBS/MPというラベルが付いているが、これは、ノード1520がBS PMPプロトコルセットおよびMPプロトコルセットの下で動作するように構成されているためである。ノード1525にはMS/MPというラベルが付いているが、これは、ノード1525がMS PMPプロトコルセットおよびMPプロトコルセットの下で動作するように構成されているためである。ノード1530にはSS/MPというラベルが付いているが、これは、ノード1530がSS PMPプロトコルセットおよびMPプロトコルセットの下で動作することが可能であるためである。図15では、PMPプロトコルセットを使用してノード間に形成されるリンクが実線で示されており、MPプロトコルセットを使用して形成されるリンクが破線で示されている。ネットワークの他の任意のノードとのリンクを確立するために、任意の所与のノードが備えられる。
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0032
所与のリンクにどのプロトコルセット(PMPもしくはMANET/メッシュ)を使用すべきかを決定するために、ヒューリスティックセットを用いることが可能である。ヒューリスティックセットの一例を次に示す。まず、BS、SS、およびMSの各ノードは、PMPプロトコルだけを使用する。MPノードは、MANET/メッシュプロトコルだけを使用する。ノードがBS/MPの場合、このノードは、常時、PMPプロトコルを使用して、MS、SS、MS/MP、およびSS/MPの各局からのリンクを受け入れ、それらの局にサービスを提供する。BS/MPは、常時、MANET/メッシュプロトコルを使用して、他のBS/MPとリンクする。MS/MPもしくはSS/MPは、BSもしくはBS/MPのレンジ内にあ� ��場合には、PMPプロトコルを使用して、それらのノードとリンクする。MS/MPもしくはSS/MPは、BSもしくはBS/MPのレンジ内にない場合には、MANET/メッシュプロトコルを使用して、他の局とリンクする。MS/MP、SS/MP、およびMPの各局は、BSもしくはBS/MPと直接通信することができないMS/MP、SS/MP、およびMPからのリンクを絶対に拒否しない。他の、より複雑なヒューリスティックセットも可能である。そのようなヒューリスティックとして、たとえば、ロールをMS/MPからBS/MPへ変更したり、その逆に変更したりするノードの機能がある。
0033
図15のネットワークでは、PMPトポロジおよびMANETトポロジの両方が、このネットワークのハイブリッドPMP/MANETトポロジに包含されている。本明細書に記載の手法は、複数のRFチャネルを共用するネットワークもしくはシステム(たとえば、OFDMA)に適用されることも可能である。本発明の理解を容易にするために、以下ではまず、PMP、メッシュ、およびMANETの各ネットワークプロトコルで現在使用されているシグナリングフレーム構造について説明する。
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0034
図3は、OFDMA変調を用いるTDDシステムで使用される典型的なPMPフレーム構造を示す。FDDおよび他の既知の変調方式の場合(特にOFDMおよびシングルキャリアの場合)もよく似ていることが、当業者には知られている。図3のPMPフレーム構造のさらなる詳細については、参照により本明細書に組み込まれているIEEE 802.16−2004および802.16e−2005標準を参照されたい。
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0035
PMPフレームは、多数のRF「バースト」からなる。ダウンリンクサブフレーム325は、バーストのセットを含み、そのすべてのバーストが、BSノードにおいて生成されており、そのBSノードに既に登録されている1つもしくは複数のSSもしくはMSノードに宛てられている。いくつかのバーストは、固有の目的を有する。たとえば、プリアンブル300は、フレームの開始を示し、さらに、ネットワーク内での時間および周波数の同期を容易にする。他の重要なバーストとして、フレーム内の他のRFバーストを解釈するために必要な、重要なPHY特性を詳述するフレーム制御ヘッダ(FCH:Frame Control Header)305、種々のダウンリンク(DL)バーストがフレーム内のどこに配置されているかを詳述するDLマップ310、および種々のアップリンク(UL)バーストがどこに配置されるべきかを詳述するULマップ315がある。BSノードは、前述のすべてのバーストを、各フレームの開始時に定義および生成する。これらの先頭バーストの後に、DLマップ310でスケジュールされたように、一連のDLデータバースト(DLバースト#1 320など)が与えられている。
0036
(TDDシステムの場合は)ダウンリンクサブフレーム325の後に、意図的に伝送が行われない送信/受信伝送ギャップ(TTG:Transmit/Receive Transmission Gap)330が続く。この時間間隔は、ネットワーク内のSSノードが受信モードから送信モードの動作に切り替わることと、BSノードが送信モードから受信モードの動作に切り替わることとを見込んだものである。TTG 330の後にアップリンクサブフレーム335が続く。サブフレーム335は、1つもしくは複数のSSもしくはMSノードからのバーストを含んでおり、そのすべてのバーストがBSノードに宛てられている。いくつかのバースト割り当ては、固有の目的を有することも可能である。これらには、ACK−CH 340、レンジング345、および高速フィードバック(CQICH) 350が含まれ、これらの各機能は、当業者には知られており、IEEE 802.16−2004および802.16e−2005標準で定義されている。さらに、アップリンクデータバースト(ULバースト#1 355など)が発生してよい。前述のように、すべてのアップリンクトラフィックの位置が、ダウンリンクサブフレーム325の間にBSノードから送信されたULマップ315によって規定されている。最後に、ネットワークの各局がそれぞれの受信/送信モードを再度切り替えることを可能にするために、受信/送信伝送ギャップ(RTG:Receive/Transmit Transmission Gap)360を設けることが可能である。
0037
バーストのスケジューリングは、PMPネットワークにおける重要な考慮点である。これは、「スロット」を用いて行われる。最も一般的なケースでは、スロットは「タイル」であり、タイルの寸法が、[スケジュール可能な変調シンボル期間の最小数]×[スケジュール可能な論理サブチャネルの最小数]に対応する。これらのサブチャネルは、周波数グループにほぼ対応するが、ネットワークに実装されている特定の変調/符号化手法のために、隣接する論理チャネルが、物理的に隣接する周波数に常に対応するとは限らない。
0038
図3は、OFDMAシンボルに基づくスロッティングを示している。スロットに割り当てられることが可能な論理チャネルの最小数が、使用可能な論理サブチャネルのすべての数と等しい場合、OFDMAトポロジは劣化してOFDMになる。実際、使用可能な論理チャネルが1つしかなく、そのチャネルに1つの周波数しかない場合、変調方式は劣化してシングルキャリアになる。
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0039
アップリンクサブフレーム335における、スロット内の論理サブチャネルの最小数、およびスロット内の変調シンボルの最小数は、ダウンリンクサブフレーム325において存在するそれらと異なる場合がある。さらに、フレーム内の変調シンボルの総数は明確に規定されている可能性があるが、TDDシステムの場合のアップリンクフェーズとダウンリンクフェーズとの間のパーティショニングは、明確には規定されていない。すなわち、TTG 330のタイミングは、システムの現在の要求に応じて変化することが可能である。したがって、所与のフレームの各サブフレームにおいて、変調シンボルの数が変化する可能性がある。さらに、TTGギャップ330およびRTGギャップ360は、変調シンボル時間の倍数でなくてもよい。アップリンクサブフレーム335における変調シンボルは、各フレームの開始を誘発する一定時間軸にそろっていなくてもよい。TTG 330は、個々の実装に応じて、すべてのPMPフレームに対して固定の位置にあってもなくてもよい。
0040
図4は、IEEE 802.16−2004(802.16d)標準に基づいており、当業者に既知である、典型的なメッシュフレーム構造を示す。フレーム境界400が示されており、フレームの長さは設定可能である。フレームは、いくつかのサブフレームに分割されており、その先頭のサブフレームは、ネットワーク制御サブフレーム405である。サブフレーム405の詳細が、図の左下に示されており、それによれば、サブフレーム405は、複数の送信機会に分割されており、その先頭は、ネットワークエントリメッセージ410のための送信機会である。ネットワーク構成メッセージ415のためのいくつかの送信機会も与えられている。ネットワーク制御サブフレーム405内の送信機会の数は、ネットワークパラメータである。ネットワー� ��制御サブフレーム405の後にデータサブフレーム420が続く。データサブフレーム420の数もネットワークパラメータである。
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0041
スロットルポジションセンサーはどこに位置しています
各データサブフレーム420は、比較的多数のミニスロット425を含む。ミニスロット425は、それぞれが、完全なメッセージより小さいが、スケジューリングの粒度および効率を非常に高くすることを意図したものである。データサブフレーム420の間に、スケジュール制御サブフレーム430がある。スケジュール制御サブフレーム430の構造は、図4の右下に示されている。サブフレーム430は、スケジュール制御メッセージ用の、いくつかのスケジュール制御送信機会435を含む。2つの基本型のスケジューリング、すなわち、集中型435および協調分散型440がサポートされている。スケジュール制御送信機会の総数、ならびに、集中型送信機会435と協調分散型送信機会440との間の境目は、ネットワー� ��パラメータおよびシステムパラメータである。さらに、データサブフレーム420内に、非協調分散型スケジュール制御メッセージ445が含まれることが可能である。
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0042
図5は、当該技術分野においてUnifying Slot Assignment Protocol(USAP)として知られているプロトコルに基づくMANETフレーム構造の例を示す。USAPについては、「USAP Multiple Broadcast Access: Transmitter− and Receiver−Directed Dynamic Resource Allocation for Mobile, Multihop, Multichannel, Wireless Networking」(IEEE MILCOM 2000、549〜53頁)で、C. David Youngによって説明されている。スーパフレーム500は、いくつかの連続するフレームを含む。これらのフレームのすべてにある各コンポーネントは、ほぼ同じであるが、それらの使われ方は、様々であり、所与の数のフレームを繰り返す。たとえば、フレーム505(第1のフレーム)のコンポーネントが図示されており、これらは、ネットワーク制御スロット510のセットを含んでいる。制御スロット510は、固定サイズであり、これは、単一のネットワーク制御メッセージが単一ノードから、そのような各スロットのかたちで送信されることを可能にするためである。別の手段を用いて、ネットワークノード間に制御スロットを割り当てることも可能であり、これは、USAPプロトコルで記述され、当業者には知られて� ��る。さらに別の、固定サイズのスロットのセットが、ブロードキャストデータ515用として予約されている。スロット515は、当業者に既知の手段により、USAPプロトコルに従って、ユーザに対して割り当てられる。ブロードキャストデータスロット515のサイズは、ネットワーク制御スロット510のサイズと異なってもよい。
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0043
さらに別の、固定サイズのスロットのセットが、ユニキャストデータスロット520として定義されている。ユニキャストデータスロット520は、ブロードキャストデータ用として用いられることも可能である。スロット520は、当業者に既知の手段により、USAPプロトコルに従って、ユーザに対して割り当てられる。USAPプロトコルは、複数の周波数チャネル525にわたって動作する。スロットは、当業者には知られているプロトコルおよび手段に従って、それらのチャネルにわたって割り当てられる。
0044
図10は、(たとえば、IEEE 802.11−1999(「802.11」)で示されている)典型的なメディアアクセス方式を示す。正式のフレームは、802.11では定義されていないが、ターゲットビーコン送信時間(TBTT:Target Beacon Transmit Time)間隔1000、ならびに、TBTT 1000の倍数である、他の関連付けられた802.11構成体を、フレーム開始基準として使用することが可能である。IEEE 802.11標準における単語「フレーム」の意味は、本開示で使用されている用語「メッセージ」にほぼ相当することに注意されたい。802.11プロトコルは、ビーコンメッセージ1015が、ほぼTBTT 1000に対応する時刻に送信されることを必要とする。これがどのように達成されるかは、TBTT 1000が発生しているときにアクティブである特定の協調機能に依存する。
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0045
IEEE 802.11では、2つの協調機能、すなわち、分散協調機能(DCF:Distributed Coordination Function)およびポイント協調機能(PCF:Point Coordination Function)が定義されている。DCFは、802.11競合期間(CP:Contention Period)1055の間に使用される。PCFは、802.11非競合期間(CFP:Contention Free Period)1050の間に使用される。TBTT 1000がCP 1055の間に発生した場合は、ビーコン競合フェーズ1040が開始される。ビーコン競合1040は、すべてのアクセスポイント(AP)または独立基本サービスセット(IBSS:Independent Basic Service Set)参加者がビーコンを送信することを可能にする。1005の時点でチャネル上に何らかのトラフィックが存在している場合は、すべての局が、チャネルがクリアになるまで待機する。チャネルがクリアになったら、競合している局が、DCFフレーム間隔(DIFS:DCF Inter−Frame Space)時間1035の間、待機する。次に、各局が、ランダムな数の競合スロット1070の分だけ待機する。AP局またはノードは、常にそれぞれのビーコンを送信し、各局が送信を許可されるまで待機プロセスを続ける。IBSSにおいては、すべての局が参加して交代でビーコンを送信する。各局は、ランダムな時間だけ待機し、待機時間が最短である局が送信を許可される。IBSSにある局は、ビーコンが正常に送信されると、CP内の次のTBTT 1000まで、ビーコンを再送信しようとしない。
0046
PCFの下でCFPを実装しているAPノードは、別のビーコン送信手順に従う。APノードは、前述同様に、DCFトラフィックまで待機してから、PCFスペース間隔(PIFS:PCF Inter−Frame Space)時間1010の間、待機する。ビーコン競合は不要であるが、ビーコンメッセージ1015がただちに送信される。PIFSはDIFSより短いため、PCFビーコンは、他のビーコンより確実に有利である。
0047
図10はまた、802.11の下で実施されるアクセス手法を示している。MANETネットワークは、802.11のDCF機能の前後に構築される場合が多い。たとえば、R.J.Hallらの「A Tiered Geocast Protocol For Long Range Mobile Ad Hoc Networking」(MILCOM 2006)、および、J.P.Hauserらの「Mobility and Routing Protocols For 802.11 Extended Service Sets」(U.S. Naval Research Laboratory MILCOM 2003、1036〜41頁)を参照されたい。各局またはノードは、DCFの下で、いつ送信を行うべきかを、単にローカル情報(メディア状態マシンやローカル状態マシンなど)に基づいて決定する。MANET通信に用いられることが可能なDCF送信の一例が、DCF Tx 1036として図示されている。
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0048
図10はさらに、本発明に関係すると考えられるPCF通信の多少の詳細を示している。CFPを使用する通信は、中央制御局として動作するAPノードによって調整される。CFPの間、そのAPノードに関連付けられた他のノードは、そのAPノードによってポーリングされた場合のみ、メッセージを送信することが可能である。PCFポーリング1020および応答メッセージ1025が図示されている。CFPの長さ、および、どのTBTTがCFPに関連付けられるかが、APノードによって事前定義され、PCFビーコンメッセージの中で広告される。ビーコンをヒアリングするノードは、すべてのCFPの開始および各CFPの広告された終了1060がわかる。APノードが、CFPの広告された終了までの間にさらなる� ��CF通信が不要であると決定した場合、APノードは、802.11 CF−ENDメッセージ1030を送信することにより、CFPの実際の終了1065を早期に発生させることが可能である。そうすることにより、そうしない場合には空いたままになるであろう時間をDCFメッセージが活用することが可能になる。
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0049
前述のように、本発明は、所与の1つもしくは複数のネットワークチャネルにおいてPMPシステムならびにMANETシステムもしくはメッシュシステムが互いに相互運用することを可能にする。したがって、PMPフレーム構造およびMANET/メッシュフレーム構造のクリティカルなフレームコンポーネントは、いずれのプロトコルの運用要求にも応えられるフレーム構造の中で、両プロトコルのクリティカルコンポーネントを保持し、通話時間を確保することにより、共通フレーム構造にマッピングされる。
0050
図6は、本発明の一実施形態による、MANETゾーンを組み込むように修正されたPMPフレーム構造を示す。PMPネットワークについて既に特定された可変パラメータ(たとえば、コンステレーションのタイプ、PHY、変調、デュプレックス技術、MIMO/MUD技術、アンテナタイプ、周波数帯、および動作の帯域幅)については、図6のPMP/MANETフレーム構造にもすべて当てはまると考えてよい。一方、好ましい一実施形態は、適応的に、可能な信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)に基づいてQPSK、16QAM、および64QAMから変調を選択し、(802.16−2004および802.16e−2005標準で定義されているように)OFDMA PHY変調をPMPトラフィックに用い、(上記標準で定義されているように)ビタビとリードソロモンECC(インタリーブ付き)との組み合わせを採用し、TDD(時分割複信)伝送方式を使用し、MIMOを用いずに400MHz前後で動作し、無指向性アンテナを使用し、20MHzの帯域幅を有する。さらに、IEEE 802.16標準で定義されていて、MANETプロトコルと共存するために本明細書に示されるように修正されたMACを使用することが好ましいであろう。
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0051
図6に示されたPMPフレーム構造では、フレームサイズは、約1ミリ秒から1秒まで可変であり、約5ミリ秒が好ましい。図6では、スーパフレーム600は、N個のフレームを有している。Nは、通常は固定であるが、実装のために選択された特定のMANETプロトコルに応じて可変であることも可能である。可能な値は、たとえば、1と1024との間の整数であるが、より大きな値も、本発明の範囲内である。好ましい一実施形態では、たとえば、N=200を用いる。図3のPMPフレームの重要な態様は維持されており、それらの態様のラベリングも維持されている。
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0052
図6の構造では、フレーム内に複数の予約済み部分が導入されており、それらのいくつかには、メッシュまたはMANETゾーン(MZ)のラベルが付けられている。本発明によれば、PMP BSノードは、MPノードとして動作することも可能であり、したがって、ネットワークに対して確立されたMANET/メッシュフレームのタイミングおよびスケジューリングを完全に認識している。したがって、PMPフレームフォーマットを規定するスケジューリングエンティティは、MANETプロトコルによって、MANETゾーンとして使用される時間帯を考慮し、MANETトラフィックとPMPトラフィックとの間でスケジューリング競合が発生しないようにしなければならない。図6では、MANETゾーンは、DLマップ310およびULマップ315において、予約済みコードもしくは他の手段を用いてスケジュールされており、そのゾーンがPMP用途では使用できないことが示されている。MANETトラフィ� ��クがPMPネットワークの適正な動作を妨げないようにするために、当業者に既知のヒューリスティックを用いることが可能である。
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0053
たとえば、MANET構成体に常に使用されるPMPフレームをPMPフレーム全体の50%以下にして、少なくとも同じだけの時間がPMP構成体に対して使用可能であることを保証するように、MANETスケジューラを構成することが可能である。より小さい値(たとえば、5%や10%)も可能であり、より大きい値(たとえば、90%)も可能である。MANETゾーンは、所定の時間スライスの間に、MZ #1 605およびMZ#2 610のようにすべてのネットワーク周波数チャネルを包含することも、MZ #3 615のように論理周波数帯の一部だけを占めることも可能である。MZ#1 605については、MZは、PMPフレームのダウンリンク部分において発生することが可能であり、MZ#2 610については、アップリンク部分において発生することが可能である。好ましい一実施形態では、MZは、必要に応じて、アップリンクまたはダウンリンクスケジューリングタイムスロットのセットに対応する。また、好ましくは、PMPスケジューラは、PMPシステムにおいてSSノードもしくはMSノードとして動作している他のMPノードを認識していて、MANET/メッシュネットワークにおいて動作しているMSノードもしくはSSノードによって受信されているトラフィックに基づいて、伝送モード(受信もしくは送信)を変更するための十分な時間がMZに含まれるようにする。フレーム時間のいくつかの部分は、常にMANET/メッシュ動作のために予約されていることが好ましい。これは、MANETネット� ��ークのためのネットワーク制御伝送をサポートするが、MANETデータ伝送専用の時間を含むことも可能である。したがって、予約された時間の量は、PMPネットワークパラメータになる。
0054
図7は、本発明による、PMP動作プロトコルと互換性があるMANETフレーム構造を示す。典型的なPMPネットワークについて選択可能な、前述のシステムパラメータ(コンステレーションのタイプ、PHY、変調、デュプレックス技術、MIMO/MUD技術、アンテナタイプ、周波数帯、および動作の帯域幅など)のすべてが、本明細書で開示されているMANET/メッシュネットワークに適用されることが可能である。好ましくは、図6のPMPネットワークに対して与えられた、これらのパラメータの値と同じ値が、後述のいくつかの例外を除き、図7のフレーム構造で動作するネットワークにも当てはまる。
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0055
図7は、図6で示されたものと同じMANETスーパフレーム構造600を示している。この、図6と同じフレーム(同一のPMPフレーム構造および同じフレームインデックス)について考察する。したがって、図6のフレーム内に示されたフィールド構造およびデータは、図7のフレームでは図6のようなラベルが付けられていないが、実際には、図7のMANETフレームの予約済み部分または未割り当て部分に完全に与えられることが可能である。このネットワークでは、MANETスケジューリングは、PMPノードで使用されるタイムスロットサイズと異なるタイムスロットサイズに基づくものとする。さらに、MANETは、そのスケジュールを、フレームの開始を基準とする変調シンボルインデックス700に基づいて追� ��すること、および、MANETノードは、図7のフレーム構造内のデータにOFDMA変調シンボルを使用することを仮定する。
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0056
好ましい一実施形態は、シンボルインデックスおよびタイムスロットを、OFDMA変調シンボルの使用に基づいて維持するが、MLバーストおよびMANET制御サブフレーム705の間に変調を有利に切り替える。たとえば、2048トーンOFDMA変調をデータに用いている場合は、MANET制御サブフレーム705の間に同じ帯域幅の256トーンOFDMに切り替えることが、シンボルの継続時間がより短いという点で有利な場合がある。点線で示されるように、1つのOFDMAシンボルと同じ時間間隔に、8つのOFDMシンボルを、わずかな余裕を残してはめ込むことが可能である。OFDMシンボルを使用すると、制御メッセージを含むことが可能な、短いブロードキャストメッセージの場合には、送信/受信ター� ��アラウンドギャップの割り当てが容易になる。
0057
複数のノードが、異なる周波数で同時にブロードキャストメッセージをOFDMAフレームで送信した場合、それらのノードは、所与のOFDMAシンボルの間は送信と受信とを同時に行うことができないため、互いにヒアリングすることができない。これではブロードキャストメッセージの目的にそぐわないため、各時間スライスが1人のユーザによって占有される時間がより短いシンボルを使用することが有利である。他のスケジューリングスロット構造を用いることも可能であり、タイミングの基準点を、各フレームの開始ではなく、スーパフレーム全体の開始とすることが可能である。
0058
TKSの氷の保護とは何か
MANETデータサブフレーム710の開始時にクリティカルなPMPフィールドに干渉するMANETトラフィックがないようにするために、サブフレーム710内にPMP予約済みセクション715が設けられる。これは、少なくとも(図6に示された)構造300、305、310、および315を覆い、さらに、PMPダウンリンクサブフレーム内のデータのいくらかの部分を覆うことが可能である。サブフレーム710のうちの、予約されている部分だけが、MANETネットワークパラメータとして設定されている。USAPで使用されているものと同様の時間および論理(周波数)チャネル「スロット」に基づいて、MANETリンク(ML)バーストが定義されている。フレームのうちの、MANETトラフィックによっ� ��占有されることが可能なパーセンテージは、MANETネットワークパラメータとして設定されることが可能であり、50%以下であることが好ましい。MLバーストは、PMPネットワーク、およびUSAPフレーム構造(図5)において限定されているのと同じ方法で使用可能なチャネルの全数のうちの一部に限定されることが可能である。これの一例が、図7のMLバースト#3 720である。周波数チャネル全体にわたってUSAPトラフィックを割り当てるために用いられるのと同じ仕組みが、図7のフレーム構造に用いられることが可能であり、これは、当業者であれば自明であろう。図7の論理サブチャネルは、図5で用いられている周波数チャネル525の代わりに用いられることが可能である。
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0059
前述のように、OFDMAフレームフォーマットでの同時送信は、問題をはらむ可能性がある。適用可能なスロット割り当てアルゴリズムは、ネットワークの各ノードが送信を行う場合、目指すところの受信側ノードがOFDMAシンボルで送信を行っている間は、同じOFDMAシンボルの別の論理チャネルで送信を行わないようにするヒューリスティックを用いなければならない。そのようなヒューリスティックは、送信から受信へ切り替わるために多少の時間が必要であることから、いよいよ十分でない可能性がある。したがって、目指すところの受信側ノードが前のシンボルで送信を行っていたか、後のシンボルで送信を行う必要がある場合は、何らかのギャップを送信間に挿入することが必要である。このことは、OFDMAだ� ��でなく、OFDMおよびSCにも当てはまる。
0060
図7では、MANETリンクギャップ(MLG)725が、戦略的に、各MLバーストの直前および直後に配置されている。MLG 725は、1シンボル分の長さであるが、より短くてもよく、たとえば、実際のバーストの前後において半シンボル分の長さであってもよい。OFDMおよびOFDMAのシンボルは、サイクリックプレフィックスを含むことが多いため、MLG 725を含むことが必須でない場合がある。したがって、これらのギャップはオプションと見なされ、これらを含めるかどうかは、変調、伝搬、および他のシステムパラメータによって決まる。他のPMP機能(たとえば、レンジングや高速フィードバックなど)との競合を避けるために、フレームの前方部分だけでなく、フレームの他の部分も予約しておくことが望ましい場合がある。そのような予約は、オプションと見なしてよい。
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0061
図8は、本発明による、PMP互換のUSAPフレーム構造を示す。たとえば、PHYには、2048個のOFDMAトーンを有する、20MHz幅のチャネルが使用される。フレームの長さは5ミリ秒であり、スーパフレーム600の継続時間は1秒である。ユニキャストおよびブロードキャストのデータ送信を規定するために、当該技術分野において知られているUSAP割り当てメカニズムが用いられる。サブサイクルが125ミリ秒ごと(25フレームごと)に発生し、これは、USAP「フレーム」に対応する。各フレームは、最大8個のMLバーストを有し、そのすべてが、同じ9個のOFDMAシンボルの間に、異なる論理サブチャネルで発生する。符号化方式に応じて、使用される9個のOFDMAシンボルの中にスペア� ��論理チャネルがあってよい。たとえば、70個の論理サブチャネルがあって、MLバースト当たり8個の論理サブチャネルがあれば、6個の論理サブチャネルが未使用である。この未使用サブチャネルを、グループにまとめるか、MLバースト間の論理チャネルギャップを与えるために使用することが可能である。8個のMLバーストは、USAPプロトコルにおける8つの周波数に対応する。単一論理チャネルに25個のフレームがある場合は、サブサイクルに25個の「スロット」がある。最初のスロットと、その後の5つおきのスロットが、「ブロードキャスト」スロットである。その他の20個のスロットは、USAPプロトコルにおける「予約/スタンバイ」スロットという、同じ役割を果たす。
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0062
PMPネットワークでは、48個のシンボルフレームのうち、最後の4シンボルを、MANET制御サブフレーム用に予約されているものとして取り扱う。MANET制御サブフレームでは、OFDMA変調シンボルが使用される。「ブートストラップ」スロットを実装するために、3個のシンボルが使用される。これは、サブサイクル当たり20セットのブートストラップスロットを提供する。しかしながら、それらはブロードキャストなので、各フレームで使用されるのは、最も小さい番号が振られたブートストラップスロットだけであろうと予想される。同じOFDMAシンボルセットの隣接する論理サブチャネルを占有するスロットは、必要に応じて、より大きなシグナリング容量を得るために、より大きなスロットに集約される� ��とが可能である。
0063
これらの番号は、あらゆる点において、基本的なUSAPフレームフォーマットに必要な数より多くのスロットに対応する。余分のスロットを単純に切り捨てて、厳密なUSAPアルゴリズムを実装することが可能である。しかしながら、当業者であれば、追加機能を利用することによって、基本的なUSAPプロトコルを拡張して、より高いパフォーマンスを得ることが可能であろう。
0064
全体で、48個のシンボルのうちの15個が、MANETプロトコルに従うことに使用されることを見込まれている。MLバーストサイズを調節することにより、容量を増やしたり、さらに多くのスロットを追加して制御能力を高めたりすることが可能である。また、MLバーストは、J番目のシンボルの後に開始されるように示されている。しかしながら、好ましい一実施形態では、MANET制御サブフレームに隣接するMLバーストを一緒にすることによって、Jの値を強制的に33にする。
0065
未割り当て通信時間は、ネットワークのPMPコンポーネントによって使用される。また、PMP BSノードは、ネットワークのMANETコンポーネント内のシグナリングをリスンしているため、有効に使用されていないMANETスロットを一時的にPMPユーザに割り当てることが可能である。IEEE 802.16では、PMPフレームの特定区間の間にPHYがどのように構成されているかに応じて、異なる置換ゾーンを使用する。すべてのMANET/メッシュノードが、それらのMANET通信に対して同じ置換ゾーン設定を使用することが好ましい。
0066
図9は、本発明による、IEEE 802.16−2004で定義されたメッシュネットワークに基づく、PMP互換のメッシュフレーム構造を示す。ここでも、構造は、20MHzの帯域幅と、5ミリ秒のPMPフレーム長とを想定している。PMP通信はOFDMAであるとし、すべてのメッシュ通信(データおよび制御)がOFDMであるとする。図4のメッシュフレーム構造におけるメッシュミニスロット425は、OFDMシンボル時間の約8.2倍と仮定されるOFDMAシンボル時間に等しく設定されることが好ましい。厳密な量は、選択される変調パラメータに依存する。OFDMAシンボルをミニスロットとして使用することは、ミニスロットを下位PHY変調(メッシュ通信の場合はOFDM)の倍数として定義する標準的な規定から逸脱するものであ� ��。しかしながら、送信スケジューリングの観点から見ると、重要なのは、送信が開始される厳密な時刻が既知である、ということだけである。したがって、OFDMAシンボル時間をミニスロットとして使用することは、容易に適応される。前述のMLGはここでも存在するが、それぞれが単一のOFDMシンボルで構成される。図9では、MLGは、メッシュミニスロット内に限定され、黒い帯域900で表されている。
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0067
図示された実施形態では、フレーム当たりのミニスロットの数は、(全部で48個のシンボルのうちの)32に制限されている。フレームの最初の4個のシンボルは、815において、ネットワーク内のPMPプロトコル通信のために予約されている。メッシュ制御サブフレームに関するパラメータは、それぞれが7個のOFDMシンボルからなる制御サブフレームごとに、5個の送信機会が与えられるように、選択されている。このことは、メッシュ制御サブフレームに対して5個のOFDMAシンボルが予約されなければならないことを意味する。
0068
最初の送信機会のタイミングは、メッシュ制御サブフレームに対して予約された時間の開始を基準にして決定される。長さが1秒であるメッシュスーパフレームの中に、4個のフレームからなるサブサイクル(20ミリ秒)が存在する。スーパフレームの最初のメッシュフレームから始まる、4メッシュフレームごとのメッシュ制御サブフレームは、図4の405に示されたネットワーク制御サブフレーム機能の専用である。他のすべての時間において、メッシュ制御サブフレームは、図4の430に示されたスケジュール制御サブフレーム機能を実行する。すべての未割り当てメッシュ容量がPMP機能に再度割り当てられるため、図9のフレーム構造では、非協調分散型制御機能メッセージングがサポートされない。しかしながら、そ� ��ようなメッセージングは、OFDMAシンボルがその機能の専用であれば、サポートされることが可能である。
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0069
前述のように、IEEE 802.11は、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルの基盤を与えることが可能である。本発明によれば、802.16 PMPトラフィックとチャネルを共用することが可能なメッシュフレームもしくはMANETフレームの一部またはすべての態様について、802.11構成体を使用することが便利であろう。たとえば、図7に示されたフレーム構造では、IEEE 802.11 DCFプロトコルを用いて、制御トラフィックをMANET制御サブフレーム705で搬送することが可能である。そのようなケースでは、メッシュスケジュールおよびネットワーク制御メッセージは、データメッセージのように802.11で送信される。また、このサブフレームにおいてのみ、802.16 PHYの代わりに802.11 PHYを使用することが可能である。さらに、当業者であれば、802.11 OFDM変調の代わりに基本的な802.16 OFDM変調を用いることによって、変調器/復調器の要件を簡略化することが可能であろう。データトラフィックは、802.16で指定されたOFDMAまたはOFDM変調により、依然として、MLバースト内を伝送される。さらに別の代替では、802.11プロトコルを用いて、メッシュ制御トラフィックもしくはMANET制御トラフィックだけでなく、MANETデータも搬送する。
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0070
図11は、802.11構成体を用いてメッシュもしくはMANETに関する制御シグナリングおよびデータの両方をMANETサブフレーム1105で搬送するケースにおいて実装可能な、802.11 MANET互換のPMPフレーム構造を示す。この場合も、IEEE 802.11または802.16 PHYが、MANETサブフレームにおいて動作可能である。すべての802.16 PMPトラフィックが、PMPサブフレーム1115内に存在することを強制される。PMPプロトコルのみを実施しているIEEE 802.16 SSおよびMSノードは、802.11インフラストラクチャを認識している必要がない。802.16 BSノードは、いかなる802.11トラフィックも解釈する必要はないが、少なくとも、MANETサブフレーム1105の開始および終了の時刻は認識していなければならず、そうすることによって、MANETサブフレーム1105に干渉しないような方法でPMPトラフィックをスケジュールすることが可能である。理想的には、BSノードは、802.16および802.11の両方のプロトコルを実施することが可能であるべきであって、これは、802.16および802.11の両方のプロトコルを実施するように装備されていないMANETノードとPMPノードとの間のトラフィックをブリッジングすることと、MANETノードがPMPノードに干渉しないようにMANETノードによる802.11プロトコルの� ��施を制御することを支援することとが可能であるようにするためである。
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0071
図12は、802.11ノードと802.16ノードとが同じメディアを共用することを可能にするIEEE 802.11/802.16結合フレーム構造を示す。これは、802.11(MANET)インフラストラクチャと802.16(PMP)インフラストラクチャとが同期していることが前提である。そのような同期は、たとえば、802.11および802.16の両方のプロトコルを実施するBSノードによって、あるいは、(たとえば、全地球測位衛星(GPS:Global Positioning Satellites)を使用する)既知の方法で与えられるような、両インフラストラクチャのための共通タイミング基準を有することによって、与えられることが可能である。
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0072
図12では、802.11ノードが、802.16プロトコルを実施するノードに干渉するのを防ぐために、802.11プロトコルの態様が用いられている。前述のように、TBTTを、802.11インフラストラクチャの公称の「フレームの開始」として用いることが可能である。そのような802.11フレームが、1200において図示されている。ビーコン競合1210(固定量)およびビーコンメッセージ1215を十分に見込んだ時間だけ、802.16フレーム1205が802.11フレームの開始からオフセットされている。ビーコンは、802.11ノードが最初にAPノードによってポーリングされることなく送信を行うことを防ぐようにCFP 1220が規定されている802.11 CFPパラメータを含むことが可能である。一方、802.11ノードは、CFPの間はどの局もポーリングしないように構成される。これによって、CFPの間は802.11通信が行われないことが確実になる。
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0073
802.16 BSノードは、長さが802.11 CFPの開始の時間間隔(ほとんどの場合は、2つのTBTTの時間間隔)と同一であるフレームを使用するように構成されることが可能である。一方、802.16 BSノードは、必要なすべてのPMP通信が、802.11 CFPとなる時間の間に完了するように、PMP通信を制御する。したがって、802.16 PMP通信は、802.11通信によって干渉されない。802.16 BSノードは、802.11 CFPの間のみ通信を行うように、関連するノードを制御するため、802.11 CP 1225の間は802.16通信が行われない。
0074
図12では、802.16フレーム構造の詳細は簡略化されているが、当業者であれば理解されるように、既に示された詳細なフレーム構造はここでも存在していると考えてよい。本質的に、802.16 PMPプロトコルは、802.11 PCFの代わりに用いられており、802.11 DCFは通常どおり機能している。802.16 PMPおよび802.11 DCFは、互いに干渉することなく共存しており、802.11 DCFは、当該技術分野において知られているように、MANETを実装するために用いられることが可能である。
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0075
図16は、本発明を実施するために用いられることが可能な装置の概略ブロック図である。他のハードウェアセットも適合することが可能であり、図16は、本発明の範囲を限定するものではない。図16は、3つのコンポーネント層、すなわち、汎用プロセス(GPP:General Purpose Process)層1600、信号処理(SP:Signal Processor)層1605、および無線周波数(RF:Radio Frequency)ハードウェア層1610を示している。GPP層は、典型的にはコンピュータを構築するために使用されるコンポーネント(CPU、メモリ、インターフェースロジックなど)を含む。インターフェースロジックは、イーサネット(登録商標)のような周知のインターフェースを実装するために用いられることが可能である。SP層は、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アナログデジタル変換器(A/D)、およびデジタルアナログ変換器(D/A)などのコンポーネントを含む。RF層は、(たとえば、アナログ集積回路(IC)、抵抗器、コンデンサ、およびそのような他のデバイスを含む)信号プロセッサによって与えられた信号を、対応するRF信号に変換するために必要なデバイスからなる。それらの必要な機能を実装するように構成された要素を有するハードウェアセットとして、たとえば、BAE Systems−Network Systems(NS)から市販されているModel R3T−P−700無線機がある。
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0076
図17は、本発明による、図16に示されたようなハードウェアセットを使用して構築されたマルチプロトコルノードの機能ブロック図である。マルチプロトコル(通信)ノードと、通信サービスを必要とするデバイスとの間で、データ1700がやりとりされる。データ1700は、たとえば、イーサネット(登録商標)インターフェースを介して渡されることが可能である。ネットワーク構成パラメータを決定するために、制御ステータス情報1705が外部入力から(おそらくは、データと同じインターフェースを介して)与えられることも可能である。この情報は、GPPにハードコーディングされてもよい。図17のノードへは、信号処理層SPへのインターフェースを介して、タイミング基準1710が渡される。無線ネット� ��ークまたは制御インターフェースを介してタイミング情報が伝達されることも可能であるが、SP層において最も容易にサポートされる専用ハードウェアインターフェースを持つことが便利であることが多い。そうすれば、必要に応じて、他の層およびコンポーネントに対しても、タイミング基準を使用可能にすることができる。
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0077
ネットワーキングコンポーネント1715は、図17のノードによって搬送されるべきデータを処理するために構成されており、たとえば、そのデータがPMPリンクまたはMANETリンクを介してルーティングされることが必要かどうかを決定してそのデータを適切にルーティングする役割を有する。制御入力は、ネットワーキングコンポーネント1715に流れ込むように図示されている。制御入力は、そこから、必要に応じて他のコンポーネントに分配される。制御入力は、他のコンポーネントに直接分配されることも可能である。
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0078
PMP MACコンポーネント1720は、図17のノードにおいて、PMP通信に必要なプロトコルを実装するように構成されている。このコンポーネントは、所望の構成に応じて、固定加入者ノード、移動加入者ノード、もしくは基地局ノードのためのプロトコルを実装することが可能である。MANET MACコンポーネント1725も同様に設けられている。コンポーネント1725は、MANET通信に必要なプロトコルを実装する。MANETコンポーネント1725およびPMPコンポーネント1720は、それらの間でスケジューリング情報1730をやりとりするために、互いにインターフェースするように構築および配置されるように考えられている。しかしながら、スケジューリング情報をハードコーディングすることにより、このスケジューリングインターフェースをなくすことも可能であろう。さらに、MANET MAC 1725とPMP MAC 1720との間に、ブリッジングコンポーネント1735をオプションで設けることも可能である。ブリッジングコンポーネントは、2つのプロトコルセット(PMPおよびMANET)の間でデータをやりとりするために用いられることが可能である。これにより、MANETプロトコルセットを使用しているノードが、PMPプロトコルセットのみを使用している可能性のある他のノードと通信することが可能になる。システムによっては、ブリッジングと同じ機能を実現する、ネットワーキングコンポーネント1715のルーティング機能に頼るほうが好ましい場合があり、その場合は、ネットワーキングコンポーネント1715に伴う追加のオーバヘッドおよび遅延を代償として、ブリッジングコンポーネント1735が省略され� ��。
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0079
ネットワーキング、MAC、およびブリッジングの各コンポーネントは、既知の方式で汎用プロセッサに実装されることが可能である。これらのコンポーネント(またはその一部)は、ノードのSP部のファームウェアで実装されることも可能である。物理(PHY)層コンポーネントは、変調、誤り訂正符号化、インタリーブ、ならびに任意の特殊処理(アンテナパターン、等化、プリディストーション、および同様の、モデムアーキテクチャにおいて典型的に用いられる処理)を含む、ノードのSP部分に通常どおり実装されている。
0080
図17のノードは、2つのPHYコンポーネント、すなわち、PHY1 1735およびPHY2 1740を有する。PHY1は、MANETプロトコルに関連付けられており、PHY2は、PMPプロトコルに関連付けられているが、両方のプロトコルセットをサポートするために共通PHYを使用することも可能である。適切なRF信号(「宇宙信号」(SIS:signals in space)と呼ばれることもある)の生成に必要なすべてのアナログ処理およびRF処理をサポートするために共通RFコンポーネント1745が設けられるが、プロトコルセット(PMPおよびMANET)ごとに別々のRFコンポーネントおよび関連付けられたアンテナ1750を有することが便利である場合もある。用途によっては、(たとえば、MIMOや適応アンテナの実装のために)複数のRFセクションおよびプロトコルが必要になる場合もある。また、PMP基地局が、それぞれが同じノード内に専用のMAC、PHY、およびRFを有する複数のセクタをサポートすることも可能である。
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0081
図13は、IEEE 802.16および802.11プロトコルを特に実施するマルチプロトコル局またはノードの機能ブロック図である。ネットワーキングコンポーネントの詳細は、省略されている。当業者であれば明らかであるように、各種機能のそれぞれを実装するには、いくつかの方法がある。たとえば、802.11 MAC 1300、および802.16 MAC 1305の機能を実装するために、別々のマイクロプロセッサを使用することが可能である。2つのPHY 1310および1315を実装するために、別々のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用することが可能である。2つのPHYモジュール1310、1315で生成された信号に対してアップコンバージョン/ダウンコンバージョン、およびそれ以外のコンディショニングを行うために、RFハードウェアの共通セット1320を使用することが可能である。RFブロック1320からの信号はアンテナ1325に渡され、アンテナ1325からの信号は、RFブロック1320に渡される。しかしながら、802.11および802.16機能に、RFコンポーネントおよびアンテナの別々のセットを使用することも可能であり、単一のFPGAおよびマイクロプロセッサを用いて、PHY 1310、1315の両方、ならびに802.11 MAC 1300および802.16 MAC 1305の両方を実装することも可能である。
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0082
図13の場合のように、802.11および802.16の機能が単一の局もしくはノードに一緒に配置されている場合は、動作の強化が可能である。具体的には、(i)802.16 MAC 1305が802.16 PMP BSノード機能を含んでおり、(ii)802.11 MAC 1300が802.11 APノード機能を含んでおり、(iii)MAC 1300、1305の両方が、本実施形態では、図示されるように、PHYコンポーネントを介してMACコンポーネントに分配されることが可能な共通タイミング基準1330に従って動作している場合は、802.11機能と802.16機能との間の同期を確実にとることがより容易である。さらに、802.11 MAC機能と802.16 MAC機能との間で双方向にデータが容易に渡されることを可能にするために、図示されるように、ブリッジング(もしくはルーティング)機能1335を設けることが可能である。ブリッジングは、802.11および802.16プロトコルの両方を実施するどの局でも概して有用であるが、802.11 APノードおよび802.16 BSノードの両方として動作する局もしくはノードに配置された場合に、特に有用である。これは、一方のプロトコル(802.11もしくは802.16)だけを実施する局もしくはノードであれば、他方のプロトコルだけを実施するノードとの通信を、AP/BSノード経由で行うことを許可されるためである。また、802.16 BSノードは、スケジューリング情報1340を802.11 APノードに渡すことが可能である。前述のように、802.11では、PCFにさらなるデータがない場合に、CF−Endメッセージを用いてCFPを終了することが可能であり、それによって、PCFに割り当てられた時間を、DCFによる使用のために回復させることが可能である。APノードは、PMPスケジューリング情報が利用可能であれば、(図12の1230で示されたような)CF−End機能を実装して、現在の802.16 PMP通信のニーズがすべて満たされた後にDCF(MANET)通信のための時間を回復することが可能になる。
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0083
図13に関しては、前と同様に、802.11 MAC 1300に関連付けられたPHY1 1310は、標準的な802.11 PHYであることが可能であるか、802.16 PHYであることが可能であることに注意されたい。完全にスタンドアロンである802.16構成および802.11構成を実装して、タイミングおよびブリッジングの機能だけを共用することが、より容易である場合がある。そのようなケースでは、802.11 PHYを使用することがより便利であろう。しかしながら、多少の手間を追加することにより、802.16 PHYを802.11 MACと対にすることが可能である。このことは、2つのPHY(PHY1およびPHY2)を単一のPHYに置き換えることが可能である点が有利であるが、既存の802.11インフラストラクチャとの互換性が失われる可能性がある。当業者であれば、他の実装の選択肢が自明であろう。
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0084
APノードではなくIBSSのために構成された802.11 MACを使用することが有利である場合もある。前述のように、IBSSでは、すべての局が、ビーコンプロセスに参加している。MANETの場合、これは、かなり重要な機能になりうる。802.11を実施している局は、802.16 PMPシステムのレンジ内に常にいるとは限らないため、自身の存在を定期的にアナウンスすることが必要である場合がある。ビーコンを送信することは、そうするための便利な方法の1つである。また、PCFを実装しているAPノードは、通常はビーコン競合期間を含まない。その代わりにPIFS時間が用いられる。これは、他の局がビーコンを送信することを妨げる。したがって、すべての802.11 MACがビーコン競合に備えることが好ましい。フレームの開始時におけるビーコン競合スロットの数は、(たとえば、32が好ましい実装である)ハードコーディングされたネットワークパラメータとなりうる。802.11局の数を考慮した適応手法を適用することも可能である。標準的な802.11 IBSSビーコンプロトコルの例外は、ビーコンを送信しているすべての局が、CFPパラメータを含まなければならないことである。これは、IBSSのビーコンに関する通常のケースではない。ビーコンのサイズは、含まれる要素の数に基づいて変化することが可能であるため、ビーコンメッセージが最後のビーコン競合スロットで送信された場合でも、ビーコンメッセージが802.16プリアンブルより前に納まるように、ビーコンメッセージのサイズを限定することが望ましい場合がある。
0085
他の、802.11プロトコルの最適化も可能である。たとえば、802.11のフレーム間隔(IFS:Inter−Frame Space)およびスロットサイズは、1000mの最大レンジに対して最適化される。これらの値は、より大きなレンジにおいては、より最適な動作のために修正されることが可能である。最終的な最適化の1つとしては、本明細書に記載の、802.11の修正バージョンをすべての局が実施する場合に、PCFパラメータを各局においてハードコーディングすることが考えられ、それによって、PCFパラメータの送信が不要になる。
0086
図6のPMP/MANET結合フレームにおける最適化されたパフォーマンスを得るために、既存のMANETプロトコルセットをさらに改良することが可能である。MANETプロトコルセットは、「予約」ベースのプロトコルセットと、「競合」ベースのプロトコルセットとに分割されることが可能である。適切な事前計画により、予約ベースのプロトコルセットに排他的に頼ることが可能である。競合ベースのプロトコルセットだけを使用することも可能であり、その場合は、柔軟性が高くなるが、通常は効率が低下する。好ましい一実装は、柔軟性および効率の最適化を可能にするために、競合ベースのプロトコルセットと、予約ベースのプロトコルセットとを結合することである。
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0087
さらなる実施形態を図14に示す。本明細書では、この実施形態を「メタMANET](MM)フレーム構造と呼ぶ。この構造は、USAPで用いられたものと同様の方式でスケジュールされた(図8でも示された)MLバーストを使用している。しかしながら、図8で示されたブートストラップスロットは、競合スロット1400に置き換えられている。競合スロット1400は、図面の一部に、「競合スロットの詳細」1405として、その詳細が示されており、制御メッセージまたは短いデータメッセージを渡すことを目的としている。競合スロットは、フレームの他の部分がOFDMA変調を使用していてもOFDM変調を使用し、当該技術分野において周知の「スロット付きアロハ(Slotted Aloha)」プロトコルにおけるスロットと同様に動作する。スロット付きアロハと異なる点として、スロット1400は、やはり当該技術分野において周知であって、たとえば、802.11プロトコルで使用されている搬送波感知多重アクセス(CSMA:Carrier Sense Multiple Access)に、スロット1400が用いられることを可能にする内部構造を有する。好ましい一実施形態として5個の競合スロット1400が図示されているが、本発明の範囲内で、競合スロットは、5個より多くても少なくてもよい。
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0088
競合スロット1400は、CSMAまたはスロット付きアロハ(または両者の何らかの組み合わせ)を実施することを可能にするように構築される。ノードが送信モードから受信モードへ、または受信モードから送信モードへ切り替わることを可能にするために、競合スロットの開始部にターンアラウンド時間1410が割り当てられる。この好ましい実施形態では、この目的のために、OFDMシンボルの4分の1が割り当てられるが、本発明によれば、割り当ては、4分の1より多くても少なくてもよい。CSMAが実施される場合は、競合スロットへの優先的なアクセスが優先度メッセージに与えられることを可能にする優先機会(PO:priority opportunity)1415が図示されている。メッセージの例として、802.11プロトコルに記載されている送信可(CTS:Clear to Transmit)や確認応答(ACK:Acknowledgment)がある。この好ましい実施形態では、優先機会としてOFDMシンボル時間の4分の3が割り当てられているが、割り当ては、これより多くても少なくてもよい。本発明によれば、複数の優先機会があってもよく、優先機会がなくてもよい。
0089
優先機会の後に、いくつかの競合機会(CO:contention opportunity)1420が続く。CO 1420は、802.11プロトコルにおいて使用される場合と同様に使用されうるが、他のアプローチを用いることも可能である。好ましい実施形態として、3個のCOが図示されているが、COは、これより多くても少なくてもよい。好ましい実施形態として、CO 1420は、OFDMシンボルの4分の1のサイズで図示されているが、本発明によれば、COのサイズは、これより大きくても小さくてもよい。この好ましい実施形態では、3個のOFDMシンボル、2個の同期(sync)シンボル、および1個のデータシンボルに、十分な時間が割り当てられている。当業者であれば明らかであるように、本発明の範囲内で、より多いか、より少ない同期シンボルおよびデータシンボルをCOに割り当てることが可能である。特にスロット付きアロハを実施している場合は、レンジ遅延を考慮しなければならない。競合スロット1400は、レンジ遅延1425に対する割り当てを含み、割り当ては、この好ましい実施形態では、OFDMシンボルの1.5個分に設定されているが、本発明の範囲内� ��おいて、これより多くでも少なくてもよい。
0090
以上をまとめると、本明細書に開示および記載された種々のフレーム構造は、共通ネットワークの共用のチャネルセットにおける、PMPプロトコルおよびMANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルの両方の無線通信をサポートする役割を果たしている。それらのフレーム構造のすべてにおいて、PMPフレームの前方(先頭)部分は、重要なPMP制御フィールドのために予約されており、PMPフレームの末尾部分は、MANET制御トラフィックもしくはメッシュ制御トラフィックのために予約されている。本発明のフレーム構造を使用しているPMP基地局またはノードは、MANET/メッシュスケジューリングを監視し、MANET/メッシュトラフィックの前後のPMPトラフィックをスケジュールする。場合によ� ��て、所定の分割が行われることが可能である。フレーム構造内のMANET/メッシュデータトラフィックに容量を割り当てることに関して、いくつかのメカニズムが説明されている。
0091
先述の内容は、本発明の好ましい実施形態を表しているが、当業者であれば理解されるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がなされることが可能であり、本発明は、そのような修正および変更のすべてを、添付の特許請求の範囲内にあるものとして、包含する。
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