2012年5月6日日曜日

知財翻訳スクール By QOL Lounge - ブログ


<エッセンス有機化学>(連載その12)

[参考書Aの関連頁:第4頁]

[参考書Bの関連頁:第1984~203頁]

[参考書Cの関連頁:第44~48頁、第118~126頁]

                          
(1)このシリーズでは、現在、「アルコール」(alcohol)から、種々の化学変化に基づいて生成される化合物について(何回かに分けて)説明しています。<注1>

(2)前回の「カルボン酸」(carboxylic acid)に続いて、今回は「カルボン酸エステル」(carboxylic acid ester)について解説します。<注2>

(3)上記参考書Aの第46頁に記載されているように、下記構造式のメタン(CH4)に、(C=O)-O-を挿入してみましょう。

    H-CH2-H (メタン)

(4)上記左側の(H-C)間に、(C=O)-O-を挿入すると、以下のようになります。<注3>

    H-(C=O)-O-CH2-H

 すなわち、H(C=O)-O-CH3に、なります。

2012年5月4日金曜日

バイオディーゼル燃料製造装置は無廃棄型を!STING法の大正理化 よくあるご質問


株式会社大正理化
〒343-0043 埼玉県越谷市上間久里1005番地4

Q:SBDFとは何ですか?
A:Sting Bio Diesel Fuelの略で、STING法(特許)という製造方法により精製されたバイオディーゼル燃料のことを他の製造法と区別してSBDFと呼んでいます。

Q:STING法とは何ですか?
A:Simultanerous reaction of Transesterification and crackING process の略で、日本語では「エステル交換−分解同時反応」となります。

2012年5月3日木曜日

自宅でバイオエタノール(ガソリン代用品)を作る方法(サーベイ) - メルセゲルのブログ


■自宅でバイオエタノール(ガソリン代用品)を作る方法(サーベイ)

家庭用品でバイオエタノールを「密造」する方法を調べました。本記事は非常に長いので、最初は概要版からお読みください。 

要約と前置き

  • 大麻油については別記事に移動しました。
  • 原料はジュース用みかん、くず米が一番安く、リッター100円ぐらいで作れると推測できる
  • 手順はウォッカの製造方法と同じでどぶろく作って蒸留してフィルターにかけるだけ
  • これはネット上の情報の要約と考察です。実際に検証はしていませんが海外でほぼ同じことを実践している人がいます。
    • 少なくとも理論上はリッター100円以下で純度の高いアルコールを精製する手順が存在することを示しました
  • おそらくE85エンジン改造キット(約1万円)というのでエンジンのコンピュータに修正が必要になります
    • bioethanol, gasoline or any combination of these fuelsと書いてあるので、これをつけるとガソリン単独で動かなくなるわけでもないようです

手順

ウォッカやスピリタスと同じ作り方です。以下のステップで行います

  1. 発酵
  2. 蒸留
  3. フィルター

以下、それぞれのステップの詳細を解説する。蒸留のセクションは非常に長いので(いろんな方式がある)自分に可能そうな値段のところだけをみるのを勧めます。

発酵

でんぷんや糖をアルコール発酵させてアルコールを作ります。詳細はこのサイトなどでまとめられています。

基本的にこれだけですが念の為に以下に詳細手順も書いておきます。相手は生物なのでアバウトでいいと思いますが。

果物を使う場合

以下のものを用意します

パン酵母は近所のスーパーで数百円で売ってます。ヨーグルトの菌種はスーパーで売ってないことが多いのでネットで買うか、ヨーグルトを直接いれるという人もいるようです。

2012年5月1日火曜日

地磁気観測所|基礎知識|Q&A


 地球電磁気についての様々な質問にお答えします。

Q1.地磁気はどこでつくられるのですか?

A1.

地球の磁気のことを地磁気といいます。 35億年前の岩石にも地磁気のなごりが残されていることから,地磁気は地球の歴史(46億年)のかなり早い時期からあったことがわかります。人類が地磁気の様子を詳しく調べるようになったのは大航海時代になってからで,ヨーロッパの人たちが地球の各地に出かけそこの地磁気の向きを調べて航海に役立てました。そのような資料から,地表の地磁気の向きは,地球の内部に棒磁石のようなものがある場合とそっくりであることがわかり,地磁気の原因は地球の内部にあることがわかってきました。ただし,棒磁石のような永久磁石は数百度に熱すると磁石の性質をほとんどなくしてしまいますが,地磁気は高温の地球の内部で作られているわけで,地磁気の原因を永久磁石で説明することはできません。地磁気の原因がなんとかわかる ようになったのは,地球の内部の様子が明らかになってきた20世紀中頃になってからのことです。

図1-1 地球の内部構造

地球は地殻,マントル,核という部分から作られています。核は鉄やニッケルから作られていて,外側は外核といって流体,内側は内核といって固体です。そして地磁気を作っているのはこの外核の部分だと考えられています。

外核はとても電流を流しやすい性質をもっています。電流が流れると,右ネジの法則で磁場が作られます。これが地表までしみだしていくと,地磁気として観測されるわけです。ではどうして電流が流れるのでしょう。それには外核が流体であることが深くかかわっています。磁場の中を流体が動くとフレミングの左手の法則で電流が流れるわけです。電流や磁場は最初は小さなものであっても,お互いに強めあってしだいに大きな電流や磁場になります。流体の運動,電流,磁場(地磁気)は互いに影響を及ぼしあうので非常に複雑です。この様子を研究するのが電磁流体力学という分野で,これを地磁気の成因に応用したものは特にダイナモ理論と呼ばれています。

地磁気の成囚はとてもむずかしい問題で,今でも100%解明されているわけではありません。ダイナモ理論に基づく研究が,スーパーコンピュータを活用するなどいろいろな方法で,現在も取り組まれています。

Q2.地磁気の強さは,どれくらいですか?

A2.

磁束密度で約46,000nT(ナノテスラ。テスラは磁束密度の単位,ナノは十億分の一を表します)。この値は現在の日本でのおおよその地磁気の強さです。
 しかしいきなり数字を並べてもピンと来る方はあまりいないと思いますので,以下このことについて,簡単に説明しておきます。

まず始めに,地磁気は方向を持つベクトル量であり,さらに強さも向きも場所によって違うだけでなく,時々刻々変化しています。
 地球上での地磁気の分布(図2-1)を見ますと,大まかに言って極地方で大きな値を示し,赤道付近の低緯度地方で小さな値を示す傾向があり,だいたい25,000nT(南米大陸中心付近)から,65,000nT(オーストラリア南方の南極大陸海岸付近)ぐらいになります。

図2-1 地表の磁場強度分布(全磁力,2000年)

地磁気の一日の変化は通常数十nT程度です。つまり磁気嵐等の特別な現象が発生した場合を除けば,一日の地磁気の変化は,地磁気の強さの0.1%程度と言うことになります。
 これに対し地磁気の最も変化の大きい擾乱現象である磁気嵐は,太陽フレアーによって起こると考えられており,その大きさは,数百nTになります。しかしそれでも変化の割合としては地磁気全体の1%程度です。但し,これらは日本等の低緯度における値です。

最後に地磁気の大きさを,身近に利用されている人工の磁場の大きさと比較してみます。例えば,血行を良くして肩こりにきくと言われる磁気健康器の類は,だいたい千数百ガウスの磁束密度を持っています。1ガウス=100,000nTですから地磁気の2,3千倍の強さになります。また磁石の反発力を利用して,数十トンの車両を浮上させるリニアモーターカーは,数Tもの磁束密度を発生させることができます。これは地磁気の実におよそ十万倍にもなります。

Q3.地磁気の極と地理上の極は違うのですか?

A3.

違います。とは言ってもちょっと事情が複雑です。なぜなら,地磁気の極には「磁極」と「地磁気極(または磁軸極)」という2つの極があるからです。

さて,現在の日本では方位磁針のN極(通常は赤いほう)の指す方角は「真北」ではなく,少しだけ西の方に偏ります。実はこれと同時に方位磁針のN極は下を向いているのです(実際の方位磁針はこのことを考慮して針の重量バランスを取っているのでほぼ水平になります)。真北から偏る角度を「偏角」,下を向く角度を「伏角」と言います。この偏角の方向,つまり方位磁針のN極の指す方へ向かってずっと進んで行くと伏角は次第に大きくなり,ついには方位磁針のN極が真下を向くところにたどり着きます。この地点を「北磁極」と言います。逆に,方位磁針のS極の指す方へ向かってずっと進んで行くと,今度は方位磁針のS極が真下(N極が真上)を向く地点にたどり着きます。この地点を「南磁極」と言います。この2 点が「磁極」です。 1980年には,「北磁極」はカナダ北方のN77.0°,W102.0°,「南磁極」は南極大陸近傍のS66.5°,E139.09°にあったとされています(図3-1)。ここで簡単な問題を1つ。「南北2つの磁極はどちらがN極でどちらがS極でしょうか?」。勘違いしやすいのですが、北磁極はS極,南磁極はN極というのが答です。磁石のN極はS極に引かれます。方位磁針のN極を引きつけるので、北磁極はS極なのです。

図3-1 磁極,地磁気極の位置

ところで,地球上の各地で地磁気の観測(偏角や地磁気の持つ力の観測)をすると地磁気の分布図ができます。ここで地球内部に1つの棒磁石(正確には磁気双極子)があると考えましょう。この棒磁石が存在することによって計算される地磁気の分布が観測された分布図と同じになるよう棒磁石の方向を設定します。こうして考えられた棒磁石の長さ方向への延長線が地表面へ出てくる2地点をそれぞれ「地磁気北極(北磁軸極)」,「地磁気南極(南磁軸極)と言います。この2点が「地磁気極(磁軸極)」です。 1990年現在,「地磁気北極」はN79.1°,W71.1°,「地磁気南極」はS79.1°,E108.9°にあるとされています(図3-2)。
 「磁極」と「地磁気極(磁軸極)」の定義は上述のとおりです。ここまでに気付いた方もいると思いますが,「地磁気極」は地球の中心に対して対称な位置にあり,一方,「磁極」は対称な位置にはありません。地磁気極が対称な位置にあるのは定義から明らか。では磁極が対称になっていないのはなぜか。これはれっきとした観測事実なのですがその原因は地磁気の成因とも深い関わりがあり,まだよくわかっていないのが現状です。

終わりにもう1つ。上の説明の中で「◇○年現在,極の位置は・・・とされています」という表現にしているのを疑問に思った方もいるでしょう。地磁気の観測が始まって200年近くになりますが,その歴史の中で図3-2のように「磁極」が移動していることが判明しました。さらに,岩石の生成過程で岩石中に閉じ込められた磁気(残留磁気)を分析するという手法で過去に遡ってみると,磁極は移動どころか「逆転」している時代もあり,その逆転も何度も繰り返されていることがわかっています。そのため,このような表現になってしまうわけです。

図3-2 磁極の移動 左:北磁極,右:南磁極


Q4.地球の磁力線は宇宙の彼方まで伸びているのですか?

A4.

地球の中心には大きな磁石があります。もしも地球のまわりに何もなくどこまでも真空ならば,地球の磁力線は遥か彼方まで棒磁石の磁力線同様の形をして伸びているでしょう。しかし,太陽からは常時ガスが吹き出しており地球周辺では速さ数百km/sec,粒子密度数個/cm3の電気伝導度の高いプラズマ(ほぼ同量の陽イオンと電子を主体とする電荷を帯びた粒子の集まりで全休としては中性である)の流れとなっています。この流れを「太陽風」と呼んでいます。太陽風は太陽の磁場を引きずるような形で運びます。その磁場は,地球の周辺では数nT程度の強さになっています。太陽風の中には陽子,電子のほかにもヘリウムや酸素、炭素などのイオンも含まれています。

地球の昼(太陽に面している)側では地球に向かってきた太陽風が地球の磁場によって進路を妨げられます。見方を変えれば,図4-1のように,太陽風は地球の磁場の圧力とちょうど釣り合う位置まで地球の磁場を圧縮し,そこから四方に分かれて地球を包み込むように後ろへ流れており,それに伴って地球の磁力線が吹き流されています。それはあたかも彗星の如く長い尾を引いて見えることでしょう。全体としては太陽風の中に細長い空洞(磁気圏)が出来ることになります。磁気圏と太陽風との境界(磁気圏界面)には電流が流れ,その電流は磁場が太陽風側へ漏れ出るのを遮ります。地球の夜(反太陽方向)側の長く伸びた部分は磁気圏尾部と呼ばれ,赤道面を境に,南半球では地球の南極付近に端を発した磁力線が太陽と反対方 向にのび,北半球では太陽方向に向いて北極付近に集まっているような形をしています。

図4-1 磁気圏の形と構造

磁気圏の広がりは昼側では地球の半径(約6、380km)の10倍(6万km)程度です。尾部は最近の人工衛星の観測では地球の半径の3,000倍(2,000万km)以上もあることが確認されています。尾部であることの認定は磁場の方向が地球と太陽を結ぶ直線の延長上にほぼ沿っていることなどによります。

磁気圏尾部の中心付近には,反対向きの磁場が接していて磁場が極めて弱い場所(磁気中性面)をはさむプラズマ・シートと呼ばれる領域があります。そこにはエネルギーの低い(1 keV程度)プラズマが分布しています。オーロラ粒子はこのプラズマ・シートからやってきます。磁気圏内で様々な現象を起こすエネルギーの源は太陽風のエネルギーです。このエネルギーを磁気圏内に取り込むための過程のひとつとして,太陽風内の磁力線が南向きとなったときの磁気圏内の磁力線(北向き)との再結合が上げられます。再結合が起こると太陽風の動きに伴って,地球の磁力線が夜側へと運ばれるようになり、その結果プラズマ・シート内の磁場エネルギーが増大します。この磁場エネルギーの蓄積がある限界を超えるとそれがプラズマの運動エネルギーヘと転換し高速のプラズマ流を生じさせることになります。

このように磁気圏も惑星間空間も絶えずプラズマや磁場の分布が変化しており,様々なドラマを演じています。それらの様子は,地上からの観測,ロケット,人工衛星などの観測手段の発達に伴って少しずつ明らかにされています。

Q5.磁気嵐とはなんですか?

A5.

地球の磁気圈は,磁場が荷電粒子の動きをくいとめる作用によって,地球を太陽風からまもっています。でも,秒速数百kmの激しい太陽風の流れの中にあるわけですから,太陽風の状態に変化があるとその影響を受けて,磁気圈の中に波紋が生じます。磁気嵐は,太陽風の影響を受けて生じる,磁気圈内全体にわたる電磁気的擾乱です。

磁気嵐のことを説く前に,磁気嵐を引き起こすエネルギー源である太陽風の故郷,すなわち太陽に目を向けましょう。太陽と磁気嵐とのかかわりの中で必ず登場するのが太陽黒点です。太陽黒点は,太陽内部の磁場が太陽表面にまで出てくる部分にあたります。磁場の作用でそこの温度が下がっていて周囲より暗くなっているため黒点といわれます。太陽黒点では,磁場のエネルギーが蓄積され,あるところで爆発的にエネルギーが解放される現象,太陽フレアー(フレアーは炎の意味)が起こります。太陽フレアーで放出された荷電粒子は磁気嵐を起こす大きな原因の一つとなっています。ちなみに,太陽活動という言葉をよく耳にされると思いますが,太陽活動は太陽黒点数によって表されます。太陽黒点が多くなればなるほど太陽 フレアーの発生数も多くなり,太陽が活発になるので,太陽の活動を示す指標として用いられています。

2012年4月30日月曜日

ドンキホーテの会 : 第一回発電風車シンポジウム【低周波について】


風車から出る低周波により、健康被害を訴える声が聞こえてきます。
低周波とはどのようなものなのか、教えていただいた知識をまとめました。

【風車の構造と音の関係について】
風車は場所打ち工(*脚注)という工法で支えられている。杭に支えられたコンクリート部分を基台という。基台からタワーを支えるが、中に階段が付いている。
上の部分にナセルと呼ばれる箱が載る。この箱の中に風車の回転速度を速めるための増速機が入っている。メーカーによっては増速機につないで変電機が入っているものもある。ベスタスの場合は上に入っている。ハブに3本のブレード(羽根)をボルトで固定している。
ハブ高の風速で騒音の聞こえ方が違ってくる。

【音の種類】
騒音というのは私達の耳に不快を感じさせる音。
聴覚がもっとも敏感な周波数範囲は3000-4000Hz。一番聴覚に良く届く。
聴覚に適合的な音の周波数範囲は500-8000Hz。
それ以上、それ以下の周波数の音になると聴覚への親和性に欠けるようになる。
非常に敏感な若い人が聞き取れる音の範囲は20Hz-20000Hzと言われる。
音と言うのは聴覚との関係で考えないといけないので非常に難しいが、風車が建つと色々な周波数の音を出すがあまり高い周波数の音は出さない。

【風車の構造とその音】
基本的に音はどこから出るかと言うと、いちばん聴覚的に捉えられるのはナセルから出る。
ナセルの中の増速機、発電機の回転、変圧器からのブーンという音。
もうひとつは回転するときに空気を切るが、その風切り音。この音の性質は私達の耳に聞き取りにくい、超低周波・低周波音というもの。低周波音は聞こえるのだが聞き取りにくい音、または身体に感じる音。超低周波音は全く聴こえないとされる。
1970年ごろから、冷蔵庫、エアコンの室外機、工場の機械音など、10Hz-40Hzくらいの周波数の低周波音が様々な形で害を及ぼすことがわかってきた。

2012年4月28日土曜日

無線ネットワークにおけるモバイルアドホックネットワーク(MANET)およびノード間ポイントツーマルチポイント(PMP)通信のサポート|詳細 - Astamuse(アスタミューゼ)


以下の情報は、出願公開日時点(2009年11月26日)のものです。

0001

本出願は、2006年6月23日に出願された、同時係属中の米国特許仮出願第60/816,038号(件名「Method And Apparatus For Implementing Mobile Ad−Hoc Networking (MANET) Protocols In Conjunction With Point To Multi−Point (PMP) Protocols」)の、35 U.S.C.119(e)に基づく優先権を主張するものである。

0002

本発明は、無線通信システムに関し、特に、ポイントツーマルチポイント(PMP)ネットワークならびにメッシュネットワークもしくはモバイルアドホックネットワーク(MANET)に関する。


0003

様々な広帯域無線システムにおいて、ポイントツーマルチポイント(PMP)プロトコル通信設備が使用されている。それらのシステムは、典型的には、標準ベースまたは産業通商団体認定(たとえば、WiMAX Forum認定、IEEE 802.16−2004、IEEE 802.16d、IEEE 802.16e−2005、IEEE 802.16e、HIPERMANなど)である。

0004

メッシュプロトコルまたはモバイルアドホックネットワーク(MANET)プロトコルの下で動作する通信設備は、軍事用途で使用されることが多い。IEEE 802.16d標準に属するメッシュネットワークの一例が、メッシュモードに加えて、PMPモードも規定している。しかしながら、この標準は、ネットワークにおいてメッシュモード動作またはPMPモード動作のいずれか一方だけを選択することをユーザに対して許可している。

0005

無線通信ネットワークの運用のための新規無線周波数(RF:radio frequency)帯の割り当てを獲得することは、困難である場合が多い。このため、かつ、他の理由により、無線ネットワークの任意の1つもしくは複数のチャネルに複数のネットワークトポロジもしくはプロトコル(たとえば、PMP、ならびにメッシュもしくはMANET)が、各プロトコルの下で様々な通信の間の干渉を引き起こすことなく、共存することを可能にすることが望ましいであろう。たとえば、既存の無線PMP基地局(BS:Base Station)のカバレージの外側にある所与のノードが新規加入者局としてネットワークに加入することを可能にするために、中継局(RS:Relay Station)が、その既存のカバレージを拡大することを必要とする場合がある。そのような場合、BSおよびRSは、メッシュプロトコルを用いて相互にリンクして、ネットワークチャネルの使用を調整し、それによって、RSが新規加入者局に対してPMP基地局として動作することを可能にすることができる。

0006

別の例として、それぞれがPMPシステムを用いている2つの軍用車列があった場合、それらは、移動しながら、それぞれの車列の中の車両間の無線接続性を維持することが必要であろう。2つの車列の基地局が互いのそばを通過する際には、それらの車列の個々のPMPネットワークを維持しながら、互いの動きを調整するために、それら2つの基地局がMANETを実装することが望ましいであろう。

0007

さらに別の例として軍事演習があり、軍事演習では、現場において何千ものRF収集端末から成績データを収集することが必要になる。各兵士は、演習中に収集されたデータを中継する無線端末を持つことができる。そのような端末は、PMPネットワーク内で最も効率よく動作するが、それらの端末のいくつかは、PMPカバレージの外にある場合があり、その場合には、接続性を維持するために、(BS以外の)他の無線端末を介してデータを転送することが必要である。この場合も、同じチャネルにおいてPMPネットワークと同時に動作するMANETネットワークもしくはメッシュネットワークが、そのような要求を満たすであろう。上述の各例は、実例に過ぎず、本発明が有利に用いられることが可能な様々な状況を限定する� ��のではない。

0008

下記特許文献1(米国特許第7,031,274号(2006年4月18日))には、IEEE 802.11プロトコルに従うシステムが、それとは異なる非互換のHIPERLAN/2標準を使用する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、共通伝送チャネルにおいて相互運用されることを可能にする方法が開示されている。さらに、下記特許文献2(米国特許第7,133,381号(2006年11月7日))には、Enhanced IEEE 802.11e標準の下で動作している局が、この802.11e標準を実施していない局からの妨害送信を防ぐ方法が記載されている。

0009

知られている限りでは、PMPプロトコルとメッシュ/MANETプロトコルとが(802.16に従うネットワークもしくはWiMAXベースであるネットワークを含む)無線ネットワークにおいて共存することを可能にすると同時に、任意のいずれかのプロトコルを使用しているネットワークのノード間で実行されている通信に対する干渉を防止するソリューションは提案されていない。802.11は、ある種のPMPプロトコルを有するが、これは実施も採用もされないことに注意されたい。しかしながら、これは、(WiMAXのような)他のPMPネットワークと異なり、(PCFと呼ばれる)この802.11 PMPプロトコルを許可するために使用される手法は、他のPMPネットワークには当てはまらないであろう。


0010

米国特許第7,031,274号米国特許第7,133,381号米国特許出願第11/546783号


0011

本発明の一態様によれば、無線ポイントツーマルチポイント(PMP)ネットワークのメンバノードが、PMPプロトコルを使用して交換されているネットワーク通信に干渉することなく、共用のチャネルセット上の他のノードとのモバイルアドホック(MANET)通信もしくはメッシュ通信に参加することを可能にする方法が、PMPネットワークにおいて基地局ノードからいくつかの加入者局ノードへダウンリンク信号を送信するステップと、基地局ノードから加入者局ノードのうちの対応する1つへメッセージを送信する第1の時間帯をスケジュールするためのダウンリンクマップをダウンリンク信号内に定義し、スケジュールされた第2の時間帯に加入者局ノードが基地局ノードへメッセージを送信することを可能にするために� ��第2の時間帯をスケジュールするためのアップリンクマップをダウンリンク信号内に定義するステップと、を含む。さらに、本方法は、ダウンリンクマップおよびアップリンクマップの一方または両方にMANET/メッシュゾーンを割り当てるステップを含み、各ゾーンは、1つまたは複数のタイムスロットおよびチャネルを予約するように動作し、予約されたタイムスロットおよびチャネルにおいて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを使用している、基地局ノードおよび任意の加入者局ノードを含むノードが、PMPプロトコルの下で基地局ノードと加入者局ノードとの間で行われているネットワーク通信に干渉することなく、他の、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを使用しているノードと通� �することが可能である。

0012

本発明の別の態様によれば、マルチプロトコル無線通信ノードが、通信サービスを必要とする外部デバイスに関して、制御情報もしくはデータをノードとやりとりするためのインターフェースコンポーネントと、インターフェースコンポーネントと結合されて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従うリンク、またはポイントツーマルチポイント(PMP)プロトコルに従うリンクを介して、ノードによって搬送されるべきデータをルーティングするネットワーキングコンポーネントと、ネットワーキングコンポーネントと結合されて、MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルを実装する、第1のメディアアクセスコントローラ(MAC)コンポーネントと、ネットワーキングコンポーネントと結合されて、P� ��Pプロトコルを実装する、第2のMACコンポーネントと、を有し、第1および第2のMACコンポーネントは、互いにインターフェースしてスケジューリング情報を渡すように構成される。

0013

本ノードはさらに、無線周波数(RF)コンポーネントと、第1のMACコンポーネントおよびRFコンポーネントと結合された、第1の物理層コンポーネントであって、(i)MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従う第1のMACコンポーネントからの第1のデータ入力を処理し、処理された第1のデータを、送信のためにRFコンポーネントへ出力することと、(ii)MANETプロトコルもしくはメッシュプロトコルに従うRFコンポーネントからの第2のデータ入力を処理し、処理された第2のデータを、第1のMACコンポーネントへ出力することと、を行う第1の物理層コンポーネントと、第2のMACコンポーネントおよびRFコンポーネントと結合された、第2の物理層コンポーネントであって、(i� ��PMPプロトコルに従う第2のMACコンポーネントからの第3のデータ入力を処理し、処理された第3のデータを、送信のためにRFコンポーネントへ出力することと、(ii)PMPプロトコルに従うRFコンポーネントからの第4のデータ入力を処理し、処理された第4のデータを、第2のMACコンポーネントへ出力することと、を行う第2の物理層コンポーネントと、を含む。

0014

本発明のよりよい理解のために、以下の説明を、添付図面および添付の特許請求項と併せて参照する。


0015

典型的なPMPネットワークトポロジのブロック図である。典型的なMANETネットワークトポロジを示す図である。典型的なPMPシグナリングフレーム構造を示す図である。典型的なIEEE 802.16d標準ベースのメッシュシグナリングフレーム構造を示す図である。典型的なUnifying Slot Assignment Protocol(USAP)ベースのMANETシグナリングフレーム構造を示す図である。本発明による、MANETゾーンもしくはメッシュゾーンを組み込んだPMPフレーム構造を示す図である。本発明による、PMP互換のMANETフレーム構造を示す図である。本発明による、PMP互換のUSAPフレーム構造を示す図である。本発明による、PMP互換のメッシュフレーム構造を示す図である。IEEE 802.11アクセスプロトコルを示す図である。本発明による、IEEE 802.11標準ベースのMANET互換のPMPフレーム構造を示す図である。本発明による、IEEE 802.16およびIEEE 802.11標準ベースの結合フレーム構造を示す図である。本発明による、マルチプロトコルネットワーク局またはノードの機能ブロック図である。本発明による、PMP互換のメタMANETフレーム構造を示す図である。本発明による、ハイブリッドPMP/MANETネットワークトポロジを示す図である。本発明による、マルチプロトコルネットワークノードとして動作可能な装置のブロック図である。本発明による、マルチプロトコルネットワークノードの機能ブロック図である。


0016

本明細書で用いられる「メッシュポイント」(MP)は、ネットワークのメンバであって、そのネットワークに対して確立されているMANETシグナリングプロトコルもしくはメッシュシグナリングプロトコルを実施する、任意のノードである。本発明によれば、MPノードは、PMPシグナリングプロトコルを実施する、ネットワークの他のメンバノードと共存することが可能であり、それらと通信することが可能である。PMPプロトコルは、本明細書では、3つのプロトコル機能性群(すなわち、基地局(BS:Base Station)、固定加入者局(SS:Fixed Subscriber Station)、および移動加入者局(MS:Mobile Subscriber Station)のかたちで定義される。具体的には、BSプロトコルセットとMPプロトコルセットとの間に協調が確立される。SSプロトコルセットおよびMSプロトコルセットは、ネットワークのPMP態様に参加しているだけであれば、MPプロトコルセットと対話する必要がない。しかしながら、時には、特定のアーキテクチャ要素を実装するために、SSプロトコルもしくはMSプロトコルならびにMPプロトコルを同じ局もしくはノードに配置することが可能であれば、便利であり、有利である。

0017

「中継局」(RS:Relay Station)は、本明細書では、BSおよびMPの機能性の特定のサブセットを含む要素として定義される。MANETルーティングおよびトポロジ制御に有用な、特定のアーキテクチャ要素も可能である。これらは、たとえば、ドメインノード(DN)、ドメインリードノード(DL)、およびブリッジノード(BN)の概念を含み、これらは、たとえば、本出願の譲受人に譲渡された、同時係属中の、2006年10月12日に出願された上記特許文献3(米国特許出願第11/546783号(件名「Adaptive Message Routing for Mobile Ad Hoc Networks」))において定義されているとおりである。

0018

図1は、ポイントツーマルチポイント(PMP)トポロジを実装する無線通信システムまたはネットワークの一実施例を示すブロック図である。このネットワークは、多くの特定プロトコル(たとえば、 IEEE 802.16−2004、IEEE 802.16e−2005、もしくはこれらのプロトコルの関連バージョン(WiMAXやHIPERMANなど))のうちの1つを実施することが可能である。図1のネットワークは、たとえば、ほぼ400MHz、700MHz、2400MHz、3100MHz、4400MHz、4600MHz、または5800MHzの無線周波数帯で動作することが可能である。言及されているPMPプロトコルの動作の場合は、60GHz以上もの高い周波数も好適であると考えられている。瞬時のチャネル帯域幅は、1MHz未満から約20MHzにまで及ぶ場合がある。500MHz以上もの高い帯域幅も実現可能である。このネットワークの各ノードは、多様なアンテナ(たとえば、無指向性アンテナ、固定指向性アンテナ、セクタア� ��テナ、ビーム形成アンテナ、または適応アンテナなど)を採用することが可能である。複数入力複数出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)ならびに複数ユーザ検出(MUD:Multi−User Detection)ネットワーキング技術を、既知の様式で適用することも可能である。さらに、既知の時分割複信(TDD:Time Division Duplex)および周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)技術も適用可能である。

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0019

このネットワークでは、現在知られている様々な変調および物理層(PHY:Physical Layer)の実装を採用することも可能である。一般的な変調方式として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)および直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)がある。シングルキャリア(SC)PHYを用いることも可能であり、既知の拡散スペクトラム技術を用いることも可能である。キャリアの変調に用いられる典型的なコンステレーションは、4位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)、16値直交振幅変調(16QAM:16 Quadrature Amplitude Modulation)、および64値直交振幅変調(64QAM:64 Quadrature Amplitude Modulation)である。他の既知の変調技術を実施することも可能である。たとえば、ビタビ、リードソロモン、ターボ、LDPCなどのような、当該技術分野においてよく知られている誤り訂正符号化(ECC:Error Correction Coding)を利用することも可能であり、場合によっては、相互結合のかたちで利用することも可能である。インタリーブを、既知の様式で適用することも可能である。

0020

PMPネットワークは、ネットワーク内のノードの編成という点で、他の無線ネットワークと区別されることが可能である。たとえば、図1では、基地局(BS)ノード110が、RFトランシーバならびに1つもしくは複数のアンテナを使用することによって、無線カバレージエリア100を維持している。本明細書に記載のPMPおよび他のトポロジの実装には、前述の周波数、PHY、変調、ECC、およびコンステレーション(ならびにその他)のどれでも用いることが可能である。図1のネットワークにある各種ノードがカバレージエリア100内でいつ送信またはリスンしていなければならないかを決定するために、メディアアクセスコントローラ(MAC)を、既知の様式で使用することが可能である。

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0021

2012年4月27日金曜日

地磁気観測所|基礎知識|Q&A


 地球電磁気についての様々な質問にお答えします。

Q1.地磁気はどこでつくられるのですか?

A1.

地球の磁気のことを地磁気といいます。 35億年前の岩石にも地磁気のなごりが残されていることから,地磁気は地球の歴史(46億年)のかなり早い時期からあったことがわかります。人類が地磁気の様子を詳しく調べるようになったのは大航海時代になってからで,ヨーロッパの人たちが地球の各地に出かけそこの地磁気の向きを調べて航海に役立てました。そのような資料から,地表の地磁気の向きは,地球の内部に棒磁石のようなものがある場合とそっくりであることがわかり,地磁気の原因は地球の内部にあることがわかってきました。ただし,棒磁石のような永久磁石は数百度に熱すると磁石の性質をほとんどなくしてしまいますが,地磁気は高温の地球の内部で作られているわけで,地磁気の原因を永久磁石で説明することはできません。地磁気の原因がなんとかわかる ようになったのは,地球の内部の様子が明らかになってきた20世紀中頃になってからのことです。

図1-1 地球の内部構造

地球は地殻,マントル,核という部分から作られています。核は鉄やニッケルから作られていて,外側は外核といって流体,内側は内核といって固体です。そして地磁気を作っているのはこの外核の部分だと考えられています。

外核はとても電流を流しやすい性質をもっています。電流が流れると,右ネジの法則で磁場が作られます。これが地表までしみだしていくと,地磁気として観測されるわけです。ではどうして電流が流れるのでしょう。それには外核が流体であることが深くかかわっています。磁場の中を流体が動くとフレミングの左手の法則で電流が流れるわけです。電流や磁場は最初は小さなものであっても,お互いに強めあってしだいに大きな電流や磁場になります。流体の運動,電流,磁場(地磁気)は互いに影響を及ぼしあうので非常に複雑です。この様子を研究するのが電磁流体力学という分野で,これを地磁気の成因に応用したものは特にダイナモ理論と呼ばれています。

地磁気の成囚はとてもむずかしい問題で,今でも100%解明されているわけではありません。ダイナモ理論に基づく研究が,スーパーコンピュータを活用するなどいろいろな方法で,現在も取り組まれています。

Q2.地磁気の強さは,どれくらいですか?

A2.

磁束密度で約46,000nT(ナノテスラ。テスラは磁束密度の単位,ナノは十億分の一を表します)。この値は現在の日本でのおおよその地磁気の強さです。
 しかしいきなり数字を並べてもピンと来る方はあまりいないと思いますので,以下このことについて,簡単に説明しておきます。

まず始めに,地磁気は方向を持つベクトル量であり,さらに強さも向きも場所によって違うだけでなく,時々刻々変化しています。
 地球上での地磁気の分布(図2-1)を見ますと,大まかに言って極地方で大きな値を示し,赤道付近の低緯度地方で小さな値を示す傾向があり,だいたい25,000nT(南米大陸中心付近)から,65,000nT(オーストラリア南方の南極大陸海岸付近)ぐらいになります。

図2-1 地表の磁場強度分布(全磁力,2000年)

地磁気の一日の変化は通常数十nT程度です。つまり磁気嵐等の特別な現象が発生した場合を除けば,一日の地磁気の変化は,地磁気の強さの0.1%程度と言うことになります。
 これに対し地磁気の最も変化の大きい擾乱現象である磁気嵐は,太陽フレアーによって起こると考えられており,その大きさは,数百nTになります。しかしそれでも変化の割合としては地磁気全体の1%程度です。但し,これらは日本等の低緯度における値です。

最後に地磁気の大きさを,身近に利用されている人工の磁場の大きさと比較してみます。例えば,血行を良くして肩こりにきくと言われる磁気健康器の類は,だいたい千数百ガウスの磁束密度を持っています。1ガウス=100,000nTですから地磁気の2,3千倍の強さになります。また磁石の反発力を利用して,数十トンの車両を浮上させるリニアモーターカーは,数Tもの磁束密度を発生させることができます。これは地磁気の実におよそ十万倍にもなります。

Q3.地磁気の極と地理上の極は違うのですか?

A3.

違います。とは言ってもちょっと事情が複雑です。なぜなら,地磁気の極には「磁極」と「地磁気極(または磁軸極)」という2つの極があるからです。

さて,現在の日本では方位磁針のN極(通常は赤いほう)の指す方角は「真北」ではなく,少しだけ西の方に偏ります。実はこれと同時に方位磁針のN極は下を向いているのです(実際の方位磁針はこのことを考慮して針の重量バランスを取っているのでほぼ水平になります)。真北から偏る角度を「偏角」,下を向く角度を「伏角」と言います。この偏角の方向,つまり方位磁針のN極の指す方へ向かってずっと進んで行くと伏角は次第に大きくなり,ついには方位磁針のN極が真下を向くところにたどり着きます。この地点を「北磁極」と言います。逆に,方位磁針のS極の指す方へ向かってずっと進んで行くと,今度は方位磁針のS極が真下(N極が真上)を向く地点にたどり着きます。この地点を「南磁極」と言います。この2 点が「磁極」です。 1980年には,「北磁極」はカナダ北方のN77.0°,W102.0°,「南磁極」は南極大陸近傍のS66.5°,E139.09°にあったとされています(図3-1)。ここで簡単な問題を1つ。「南北2つの磁極はどちらがN極でどちらがS極でしょうか?」。勘違いしやすいのですが、北磁極はS極,南磁極はN極というのが答です。磁石のN極はS極に引かれます。方位磁針のN極を引きつけるので、北磁極はS極なのです。

図3-1 磁極,地磁気極の位置

ところで,地球上の各地で地磁気の観測(偏角や地磁気の持つ力の観測)をすると地磁気の分布図ができます。ここで地球内部に1つの棒磁石(正確には磁気双極子)があると考えましょう。この棒磁石が存在することによって計算される地磁気の分布が観測された分布図と同じになるよう棒磁石の方向を設定します。こうして考えられた棒磁石の長さ方向への延長線が地表面へ出てくる2地点をそれぞれ「地磁気北極(北磁軸極)」,「地磁気南極(南磁軸極)と言います。この2点が「地磁気極(磁軸極)」です。 1990年現在,「地磁気北極」はN79.1°,W71.1°,「地磁気南極」はS79.1°,E108.9°にあるとされています(図3-2)。
 「磁極」と「地磁気極(磁軸極)」の定義は上述のとおりです。ここまでに気付いた方もいると思いますが,「地磁気極」は地球の中心に対して対称な位置にあり,一方,「磁極」は対称な位置にはありません。地磁気極が対称な位置にあるのは定義から明らか。では磁極が対称になっていないのはなぜか。これはれっきとした観測事実なのですがその原因は地磁気の成因とも深い関わりがあり,まだよくわかっていないのが現状です。

終わりにもう1つ。上の説明の中で「◇○年現在,極の位置は・・・とされています」という表現にしているのを疑問に思った方もいるでしょう。地磁気の観測が始まって200年近くになりますが,その歴史の中で図3-2のように「磁極」が移動していることが判明しました。さらに,岩石の生成過程で岩石中に閉じ込められた磁気(残留磁気)を分析するという手法で過去に遡ってみると,磁極は移動どころか「逆転」している時代もあり,その逆転も何度も繰り返されていることがわかっています。そのため,このような表現になってしまうわけです。

図3-2 磁極の移動 左:北磁極,右:南磁極


Q4.地球の磁力線は宇宙の彼方まで伸びているのですか?

A4.

地球の中心には大きな磁石があります。もしも地球のまわりに何もなくどこまでも真空ならば,地球の磁力線は遥か彼方まで棒磁石の磁力線同様の形をして伸びているでしょう。しかし,太陽からは常時ガスが吹き出しており地球周辺では速さ数百km/sec,粒子密度数個/cm3の電気伝導度の高いプラズマ(ほぼ同量の陽イオンと電子を主体とする電荷を帯びた粒子の集まりで全休としては中性である)の流れとなっています。この流れを「太陽風」と呼んでいます。太陽風は太陽の磁場を引きずるような形で運びます。その磁場は,地球の周辺では数nT程度の強さになっています。太陽風の中には陽子,電子のほかにもヘリウムや酸素、炭素などのイオンも含まれています。

地球の昼(太陽に面している)側では地球に向かってきた太陽風が地球の磁場によって進路を妨げられます。見方を変えれば,図4-1のように,太陽風は地球の磁場の圧力とちょうど釣り合う位置まで地球の磁場を圧縮し,そこから四方に分かれて地球を包み込むように後ろへ流れており,それに伴って地球の磁力線が吹き流されています。それはあたかも彗星の如く長い尾を引いて見えることでしょう。全体としては太陽風の中に細長い空洞(磁気圏)が出来ることになります。磁気圏と太陽風との境界(磁気圏界面)には電流が流れ,その電流は磁場が太陽風側へ漏れ出るのを遮ります。地球の夜(反太陽方向)側の長く伸びた部分は磁気圏尾部と呼ばれ,赤道面を境に,南半球では地球の南極付近に端を発した磁力線が太陽と反対方 向にのび,北半球では太陽方向に向いて北極付近に集まっているような形をしています。

図4-1 磁気圏の形と構造

磁気圏の広がりは昼側では地球の半径(約6、380km)の10倍(6万km)程度です。尾部は最近の人工衛星の観測では地球の半径の3,000倍(2,000万km)以上もあることが確認されています。尾部であることの認定は磁場の方向が地球と太陽を結ぶ直線の延長上にほぼ沿っていることなどによります。

磁気圏尾部の中心付近には,反対向きの磁場が接していて磁場が極めて弱い場所(磁気中性面)をはさむプラズマ・シートと呼ばれる領域があります。そこにはエネルギーの低い(1 keV程度)プラズマが分布しています。オーロラ粒子はこのプラズマ・シートからやってきます。磁気圏内で様々な現象を起こすエネルギーの源は太陽風のエネルギーです。このエネルギーを磁気圏内に取り込むための過程のひとつとして,太陽風内の磁力線が南向きとなったときの磁気圏内の磁力線(北向き)との再結合が上げられます。再結合が起こると太陽風の動きに伴って,地球の磁力線が夜側へと運ばれるようになり、その結果プラズマ・シート内の磁場エネルギーが増大します。この磁場エネルギーの蓄積がある限界を超えるとそれがプラズマの運動エネルギーヘと転換し高速のプラズマ流を生じさせることになります。

このように磁気圏も惑星間空間も絶えずプラズマや磁場の分布が変化しており,様々なドラマを演じています。それらの様子は,地上からの観測,ロケット,人工衛星などの観測手段の発達に伴って少しずつ明らかにされています。

Q5.磁気嵐とはなんですか?

A5.

地球の磁気圈は,磁場が荷電粒子の動きをくいとめる作用によって,地球を太陽風からまもっています。でも,秒速数百kmの激しい太陽風の流れの中にあるわけですから,太陽風の状態に変化があるとその影響を受けて,磁気圈の中に波紋が生じます。磁気嵐は,太陽風の影響を受けて生じる,磁気圈内全体にわたる電磁気的擾乱です。

磁気嵐のことを説く前に,磁気嵐を引き起こすエネルギー源である太陽風の故郷,すなわち太陽に目を向けましょう。太陽と磁気嵐とのかかわりの中で必ず登場するのが太陽黒点です。太陽黒点は,太陽内部の磁場が太陽表面にまで出てくる部分にあたります。磁場の作用でそこの温度が下がっていて周囲より暗くなっているため黒点といわれます。太陽黒点では,磁場のエネルギーが蓄積され,あるところで爆発的にエネルギーが解放される現象,太陽フレアー(フレアーは炎の意味)が起こります。太陽フレアーで放出された荷電粒子は磁気嵐を起こす大きな原因の一つとなっています。ちなみに,太陽活動という言葉をよく耳にされると思いますが,太陽活動は太陽黒点数によって表されます。太陽黒点が多くなればなるほど太陽 フレアーの発生数も多くなり,太陽が活発になるので,太陽の活動を示す指標として用いられています。